ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

精神に重大な問題が生じているのではないか(元将棋棋士・橋本崇載の殺人未遂による逮捕)(追記あり)

2023-07-24 00:00:00 | 社会時評

このブログの常連コメンテイターであるnordhausenさんからもコメントがありましたように、これはいったいどうしたものか。

大津 将棋の元プロ棋士を逮捕 元妻などへの殺人未遂疑い
07月20日 20時45分

20日朝、大津市の住宅に侵入して、元妻などを「くわ」で殴りつけて殺そうとしたとして、将棋の元プロ棋士が殺人未遂などの疑いで警察に逮捕されました。
調べに対し黙秘しているということです。

逮捕されたのは、将棋の元プロ棋士で、住所・職業不詳の橋本崇載容疑者(40)です。
橋本容疑者は、20日午前7時ごろ、大津市内の元妻の実家に侵入し、在宅していた30代の元妻と、その60代の父親を「くわ」で殴りつけて殺害しようとしたとして、殺人未遂と住居侵入の疑いが持たれています。
「元夫が押しかけてきた」という元妻からの通報を受けて警察官が駆けつけたところ、住宅の2階で元妻の父親が、容疑者を取り押さえていたということです。
元妻と父親が、手足や胸に軽いけがをしたほか、橋本容疑者も頭に軽いけがをしているということです。
容疑者は警察の調べに対し黙秘しているということです。
容疑者は先月(6月)、元妻に対する名誉毀損の罪で執行猶予のついた有罪判決を受けていました。
警察は、元妻との間の離婚をめぐるトラブルが背景にあった可能性もあるとみて調べを進めています。

これはいったいどういうことなんですかね。さすがにあまりにひどいしやばくないか。

橋本崇載は、順位戦もA級(名人挑戦権を争うリーグ)在籍経験があるし(1年)、竜王戦も1組に在籍したこともあるくらいで、なかなかの戦績の持ち主です。で、そのような人物が、Wikipediaによれば(注釈の番号は省略。以下同じ)、

2020年10月1日より2021年3月31日まで一身上の都合により公式戦を休場することになった。期間中に開催される公式戦の対局予定は組まれず、すでに対局予定が組まれていた棋聖戦二次予選の中田宏樹戦と、橋本の2勝3敗で進行していた第79期B級2組の残り5局は不戦敗扱いとなった。その結果、順位戦では降級点がついた。

2021年4月2日付で日本将棋連盟に引退届を提出し受理され、同日にYouTubeチャンネル『橋本崇載チャンネル』とTwitterアカウントを開設した。当時、橋本の将来を案じた連盟常務理事の森下卓は、橋本が提出した引退届の受理を保留し、橋本に何度も翻意を促したという。

連盟のリリースでは引退理由を「一身上の都合」としていたが、自身のYouTubeチャンネル動画や雑誌インタビューなどでは、2019年7月に妻と息子が別居を始めたことについて、これを子の連れ去りだと主張し、親による子どもの連れ去りを違法とするための活動を考えていること、その活動が国を批判することとなり、国から優遇を受けて成り立っている将棋連盟への迷惑となることを懸念しての引退であった、と述べている。

ということになったわけです。上にもあるように、将棋連盟側も相当に困惑したのではないか。森下卓が、橋本に引退翻意を促した背景にも、さすがにここまで悪い事態になるとは予想しなくても、かなりよろしくない予感がしたのではないですかね。なんとなくそんな気がします。そしてWikipediaからさらに引用すれば、

2023年1月17日、元妻を中傷する内容をツイッターに投稿したとして、名誉毀損の疑いで逮捕された。橋本は元妻などの本名と住所を明記した上で「僕を地獄の底に落とした殺人鬼」などと呼び、「無差別殺人起こして自殺したるわ」「ガソリン撒いて火つけたってもええんやぞ」などの投稿を繰り返していた。

逮捕はこれが二度目で、前年の12月にも元妻への名誉棄損容疑で逮捕されていた。

その後名誉毀損罪で起訴され、同年6月23日に大津地方裁判所から懲役1年6月、執行猶予4年の判決を言い渡された。

同年7月20日、元妻とその父を鍬のようなもので殴って殺害しようとしたとして、殺人未遂などの疑いで逮捕された。

という事態になったわけです。今回の殺人未遂が起訴されるかどうかはわかりませんが、されたら実刑は免れないでしょう。実刑になったとして、ちょっとどうしようもないとしか言いようがありませんが、

住所・職業不詳

というあたりも、ご当人の生活が相当に荒れているということがうかがえます。ていうか、執行猶予中なのだから、所在がつかめないというのも変な話です。

で、これはもう相当に精神がよろしくないとしか言いようがないですね。上のWikipediaの記述の典拠となっている記事

 “元プロ棋士が「無差別殺害」錯乱予告の衝撃!「ガソリン撒いて火つけたってもええんやぞ」

でも、

「ここまで明確な敵意を表すツイートに、さすがのファンも擁護しきれず。《そこまで言うと逮捕されちゃいますよ!》《これはまずい。橋本君好きなんだけどこれは捕まっちゃうやん》と心配の声があがっています。橋本氏は怒りのツイートの他にも、息子や元妻、元親族の本名や住所などを晒すツイートも投稿。橋本氏本人と、元家族の安否が心配されています」(前出・情報誌記者)

と、かなり心配の声が上がっていることが紹介されています。当たり前です。

で、刑事上の責任は取ってもらうとして、それと並行してこれはもう精神疾患の治療を受ける必要がありそうですね。服役するにしたってそんなに長い期間刑務所にいるわけでもありませんから、出所したらさっそく元配偶者のところへ行ってなんてことになったら目も当てられない。そしてそうなる可能性は、現段階そんなに低いとも思えない。けっしてふざけたり無責任な放言をしているのでなく、こんどは未遂が既遂になるという最悪の事態だってあり得ます。そういう事態は、あらゆる手段を用いて防がないといけません。

橋本に親がいるかどうか私は知識がないですが、これは親が彼を引き取るというのが(可能なら)いちばんいいのですが、ちょっと他人がどうこうできないところまで突き進んでしまった感があり、ほんと周囲も困るにもほどがありそうです。他人は何もできないので、ここは関係者の方が、可能な範囲でぜひ善処してほしいと祈願して、この記事を終えます。

記事発表日の追記:bogus-simotukareさんからコメントをいただき、また下のような記事も発表してくださいました。ありがとうございます。

元将棋棋士・橋本崇載の殺人未遂による逮捕(2023年7月24日記載)

で、こちらの記事は非常に興味深いですね。

「共同親権」旗振り役の元棋士は「実子連れ去りの被害者」か? 国会議員やHanadaが擁護…そして事件は起こった:東京新聞 TOKYO Web

橋本の特異なパーソナリティの問題はいろいろあるでしょうが、一部国会議員や雑誌が不用意あるいは確信的に擁護したことも、このたびの事態を招いた要因になっていることは否めませんね。またご当人が孤立していたらしいというのも、「そうだろうな」という感があります。森下専務理事が将棋連盟退会を翻意するよう促したのも、橋本の孤立した性格を心配した側面が大きいのではないか。

ともかく、今後ですね。治療とセットにしないと、これからも危険でしょうがないと思います。


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6 コメント

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Unknown (bogus-simotukare)
2023-07-24 05:02:09
 既に以下の記事をご存じとは思いますが。
東京新聞『「共同親権」旗振り役の元棋士は「実子連れ去りの被害者」か? 国会議員やHanadaが擁護…そして事件は起こった』
https://www.tokyo-np.co.jp/article/264656
>同容疑者をよく知る将棋関係者は
「人の言うことを聞かないところもあった。だから棋士仲間でも友人と呼べる人はほとんどおらず、ずっと孤独だった」
(引用終わり)

 まあ人間関係は大事と言うことですね。いかに孤独とは言えここまで暴走する人間は少ないでしょうが。

>同容疑者は6月に大津地裁で、名誉毀損罪で懲役1年6月(執行猶予4年)の有罪判決を受けたばかりだったが、その判決などから経緯をたどると、元妻は2019年、生後4カ月の長男を連れて実家に戻り、同容疑者と別居。その後、元妻側から離婚調停が申し立てられるなどして、係争状態になった。
 同容疑者は21年4月に棋士引退を表明。同8月に元妻やその父母の実名、顔写真などをツイッター上で公開し、「まさに誘拐一家」などと投稿。その一方で月刊誌「Hanada」に「『実子誘拐』『子どもの連れ去り』の被害者になった」「何としても法制度を変えなければならない」などと手記を公表していた。22年5月には離婚が成立したが、同11月には「息子を誘拐し、法外な金銭を要求」「僕を地獄の底に落とした殺人鬼」などとツイッターに投稿。これに対し元妻側が告訴し、今年1月に滋賀県警が名誉毀損容疑で逮捕していた。
 共同親権導入を目指す国会議員らは、同容疑者を「被害者」として取り上げてきた。
 2021年4月の参院法務委員会で、無所属の嘉田由紀子議員(現国民)はユーチューブで同容疑者の主張を視聴したとし「事実として、ある日突然子どもがいなくなってしまったことは重く受け止めるべきだ」などと指摘していた。
 前出の「Hanada」は手記を載せたほか、21年7月号でいずれも自民の三谷英弘衆院議員と鈴木貴子衆院議員(ボーガス注:鈴木は鈴木宗男の娘)の対談を掲載した。2人は、同容疑者のケースを引き合いに「私も三谷先生もいわゆる『連れ去り勝ち』などの問題解決に向けて一緒に行動している」(鈴木氏)、「諸悪の根源は単独親権」(三谷氏)などと述べていた。
 今回の事件を受け、「こちら特報部」は議員たちに取材を申し入れた。嘉田氏の事務所は「地元日程が入り対応が難しい。電話でコメントできる案件、内容ではない」と回答。鈴木、三谷両議員の事務所もそれぞれ、地元での活動を理由に、コメントしなかった。
(引用終わり)

 共同親権導入(現在は単独親権です)の是非はともかくHanadaや自民党議員(嘉田、鈴木、三谷)は最悪ですね(共同親権制度は欧米では珍しくないこと、共同親権制度支持がこの種のウヨ連中ばかりではないことは公平のために書いておきます。とはいえ、今の日本でうかつに共同親権を導入すると嘉田等によって橋本のようなゴロツキの無法を助長しかねない制度が導入される恐れが否定できませんが)。
 「拉致被害者家族会を政治利用する救う会」並に醜悪です。
 共同親権正当化に「元プロ棋士という著名人」が使えると考えたのか、橋本を扇動し、彼の暴走を助長。
 あげく殺人未遂に至ったら逃げ腰とは何処まで愚劣で卑劣なのか。
 救う会べったりの拉致被害者家族会もそうですが、橋本も「付き合うべき人間を間違えた」というべきでしょう。

> 東京都立大の木村草太教授(憲法学)は、事実関係は報道の範囲で把握しているにとどまると断った上で、「一部の議員や共同親権推進運動を展開する人々は、橋本氏の件について元妻側の言い分を何ら調査せず、連れ去りの問題事案として取り上げた」と問題視。橋本容疑者はこうした運動に担ぎ出された形で、「自らを省みる機会を持てないまま『元妻と日本の法制度が悪い』との言動をエスカレートさせた面も否定できない」と述べる。
(引用終わり)

 木村氏の言う通りでしょう。罪は罪として、「橋本もある種の被害者」ではあります。

>今回の事件後、「橋本氏を追い詰めたのも共同親権がないからだ」との声もある。これに対し、ドメスティックバイオレンス(DV)が原因の離婚などを多く手がける太田啓子弁護士は「そもそも親権がないと子どもに会えないわけではない。裁判所に面会交流を申し立てるなどし認められるケースも多い。子どもに会えない人がいるから共同親権を認めるべきだという議論は根拠がない」と指摘。
(引用終わり)

 そもそも橋本の離婚も「橋本のDV」が原因のようであり、「DVが原因の離婚などを多く手がける太田啓子弁護士」がコメントしているのもそういう話です。
 「DVを働くようなゲス(夫)」のもとに「幼い乳児を置いておこう」なんて考える妻がいるわけがない。
 「性格の不一致」などで離婚して妻がこどもを連れ出したという話とは訳が違う。
 橋本を無理に擁護する連中は「DV離婚を否定しよう」と必死なようですが。

>元裁判官で明治大の瀬木比呂志教授(民事訴訟法)は「共同親権は、両親と子、両親同士の関係が問題ない場合に認めるなら望ましい制度と言える。ただ、両親双方に客観的かつ冷静に話し合える関係がないとうまく機能しない」とし、こう強調する。
 「共同親権を認めるならとりあえず要件を厳しく限定し、当事者の申し立てに基づいて家裁が審理して許可するような仕組みが必要だ。父母の協議だけで認めれば、弱い立場の方が圧迫される恐れがある。慎重な議論が求められる。もしも、裁判所のチェックが担保されないなら、単独親権を維持する方が無難だろう」
(引用終わり)

 「父母の協議だけで認めれば、弱い立場の方が圧迫される恐れがある。裁判所のチェックが担保されないなら、単独親権を維持する方が無難」
 まあそういうことなんでしょうね。
 なお、瀬木氏は
>判事になってからは、鶴見俊輔に勧められ、雑誌『思想の科学』に、関根牧彦の筆名で執筆を始め、以後、論文・研究書については実名で、私的な文章については筆名で、執筆を続けた。
>2015年に著書『ニッポンの裁判』(2015年、講談社現代新書)により第2回城山三郎賞を受賞
(ウィキペディア「瀬木比呂志」参照)
ということでそこそこ著名な方です。
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Unknown (bogus-simotukare)
2023-07-24 07:32:45
 嘉田は自民でなく、国民民主でしたね。一応訂正しておきます。
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>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2023-07-24 23:15:02
どうも、興味深い記事のご紹介、貴ブログでの拙記事のご紹介ありがとうございます。やはり孤立の問題は大きそうですね。京都アニメーションほかの事件でも、人間関係に恵まれている人物は、ここまでひどい犯罪はしませんし、橋本はもちろんこれほど悪質な人間ではありませんが、やはり人間関係の貧困がこのようなよろしくない事態を引き起こしていると思います。
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殺人未遂疑いで逮捕の元プロ棋士、責任能力ありと判断 大津地検が刑事処分を判断へ (bogus-simotukare)
2023-12-07 20:23:04
https://www.sankei.com/article/20231207-OZRPCDXD5ROVFEKJSB55XLFB6I/
 元妻(33)とその父(69)を殴って殺害しようとしたとして殺人未遂などの疑いで逮捕され、鑑定留置されていた将棋の元プロ棋士、橋本崇載(たかのり)容疑者(40)について、担当医が刑事責任能力に問題がないと判断したことが7日、捜査関係者への取材で分かった。大津地検が近く刑事処分を判断するとみられる。
 橋本容疑者は7月、大津市の元妻宅に侵入し、元妻らをくわのようなもので殴ったとして逮捕され、大津地検が8月3日から12月4日まで鑑定留置を実施していた。
 橋本容疑者は現役時に「ハッシー」の愛称で親しまれ八段まで昇段。一身上の都合を理由に令和3年4月に引退を表明し、4年11月に日本将棋連盟を退会した。元妻に対して「僕の全てをつぶした殺人鬼」と投稿するなどし、今年6月に名誉毀損罪で有罪判決を受けていた。

 一応紹介しておきます。
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>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2023-12-08 19:11:09
ちょうど京アニの事件でも、青葉被告に死刑が求刑されましたね。責任能力の問題も微妙ですので、これもどうなるかですね。執行猶予中のみでもあるし、実刑になる公算も高い。上の記事でも指摘しましたように、治療が絶対必要です。
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元プロ棋士「ハッシー」起訴 元妻ら2人への殺人未遂罪 (bogus-simotukare)
2023-12-08 19:17:30
https://www.sankei.com/article/20231208-7NOFLPBET5N3LDBY5Z474CGFIA/
 大津市の住宅で7月、元妻(33)とその父(69)をくわで殴り殺害しようとしたとして、大津地検は8日、殺人未遂と住居侵入の罪で、将棋の元プロ棋士、橋本崇載容疑者(40)=福岡市博多区=を起訴した。
(引用終わり)

 ひとまず紹介しておきます。
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