ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

世論調査の結果が、メディアによって相当に異なる(まだ投票していない人は、ぜひ投票を)

2021-10-31 00:00:00 | 社会時評

本日は、衆議院選挙の投票日です。読者の皆様は、投票はすでにされたでしょうか。私は、すでに期日前投票をしています。当方の個人情報保護その他の理由でそんなに具体的なことは書きませんが、小選挙区は野党候補、比例代表は共産党に入れておきました。前回の衆議院選挙では、ご祝儀で立憲民主党に比例を投票しましたが、19年の参議院選挙では共産党に入れたっけな? 私もいろんな政党に過去投票しましたが、この数年は共産党を中心に投票することが多くなっています。が、それはともかく、自民党でも公明党でもその他の政党にでもいいから、投票をしに、やはり選挙にはいきましょう。国民が直接的に政治に参加できる機会を棄権するのはもったいない。

さて今回の選挙では、どうも新聞各紙、各放送局により世論調査の結果が異なりますね。産経新聞の記事では、こうあります。

>接戦区で立民優勢、自民苦戦 衆院選最終盤情勢
2021/10/29 21:11
有料会員記事

産経新聞社は29日、FNN(フジニュースネットワーク)と合同で行った衆院選の最終盤情勢調査(28、29両日実施)の結果をまとめた。289選挙区のうち、前回調査(23、24両日実施)で接戦だった約60選挙区を含む100選挙区を対象に実施。接戦を抜け出して優勢に持ち込んだ選挙区の数は、自民党が4と伸び悩む一方、立憲民主党は17に達した。ただ50近くで際どい攻防が続いており、31日の投開票に向けて予断を許さない情勢だ。

有料記事なのであまり読めないのですが、私が新聞本紙で確認すると、まあまあ野党が善戦しているようですね。

それでけっこうこれは話題になったと思う朝日新聞の世論調査では、

>自民が単独過半数確保の勢い、立憲はほぼ横ばい 朝日情勢調査
2021衆院選

2021年10月25日 18時00分

 31日投開票の衆院選(定数465)について、朝日新聞社は23、24日、全国約38万人の有権者を対象に電話とインターネットによる調査を実施し、全国の取材網の情報も加えて、選挙戦中盤の情勢を探った。現時点では、①自民党は公示前の276議席より減る公算が大きいものの、単独で過半数(233議席)を大きく上回る勢い②立憲民主党は比例区で勢いがなく、公示前の109議席からほぼ横ばい――などの情勢になっている。

というわけで、こちらは相当に自民党有利の予測となっています。他の調査と比べても、朝日の調査では、突出して自民党が勝つということになっています。産経の本紙に、各新聞・通信社の議席予想の数字が出ていまして、それをエクセルで写してみたのが下の図です。

これちょっと数字が違いすぎますね。自民党に関しては、下限が産経FNNと共同の218、上限が共同の297です。共同は、上から下が79議席も違うわけで、その真ん中あたりに真があるのかもですが、ちょっと幅が広すぎます。立憲民主党についても、下限が共同の70、上限が産経FNNの151で、これまた81も違う。これでは何が正しいのかさっぱりわかりません。

世論調査をするうえで土台となる統計学はますます進歩しているはずだし、AIの発達などもあり より精微な分析・解析を可能としているはずですが、これもどうもなあではあります。当方正直選挙の事前予測というのにそんなに興味のある人間でもないのですが、しかしこんなに数字が違うとさすがに不審な気分にもなります。

今回、朝日新聞の記事にもあるように、小選挙区はインターネットで調べたとのことで、それがよくなかったのかもという気がしますが、どうなのか。ちなみに上の表にない読売新聞は、その最新の調査によると、

>自民の単独過半数維持は微妙、立民が議席増・維新は勢い保つ…読売・衆院選終盤情勢
2021/10/29 08:42

 読売新聞社は31日投開票の衆院選の終盤情勢を探るため、26~28日に世論調査を行った。自民党は単独での衆院定数の過半数(233)維持が微妙な情勢だ。立憲民主党は議席を増やす公算が大きく、日本維新の会は勢いを保っている。289ある小選挙区の約4割で接戦となっている。

とのことで、自民党にやや苦しい数字となっています。上の表でいうと、産経FNNの調査に近いか。自民党を強く支持する立場にある読売と産経FNNの調査が似ているというのもいろいろ興味深いものがあります。

それで上の世論調査の表及び読売も共通して指摘しているのが、維新の躍進です。それで私の見たところ、維新が議席を伸ばすと、それは自民党の現有議席を食う可能性が高い。今回大阪では、相当に維新が勝つというのがもっぱらの話ですから、ということは、小選挙区で自民党がなぎ倒されることになる。また維新が小選挙区で勝つと、野党連合の候補者が出馬するとなると、自民党は惜敗率も低くなるので、比例復活も厳しくなる。維新は、「ゆ党(与党ではないが、野党の名に値しない)」「なんちゃって野党」とか、支持者以外にはろくな評価がされていませんが、自民党として維新とどう対応するかはいろいろ今後の大きな焦点でしょう。ポスト安倍・菅政権で、そのころほどのいい関係を維新も自民党と保っている現状ではありませんから、維新としても自民党の関係をあらためて強化する方向に行くのか。自民党が維新との連立をどう考えていくのか、これは選挙が終わった後の話ですが、私もここはいろいろ注目したいと思います。

ただ6月にあった東京都議会選挙も、事前の世論調査とだいぶ結果が違いましたしね。あの時は、報道各社ともそんなに予想が違うということはなかったかと思いますが、最後に都知事の小池百合子が登場して都民ファーストを助けたということにしても、やはりそのあたりは世論調査の限界なんですかね。前回2017年の衆議院選挙を例とすると、比例は、与党が25,618,981票の87議席、野党が30,138,571票の89議席であり、野党が勝っているわけです。希望の党や維新のようななんちゃって野党を入れての話ですから、そのままこの結果を受け入れるわけにもいきませんが、それにしても得票数で450万票くらい、ポイントで8.9ポイントも差があるのに、2議席しか野党が上回っていないというのもひどいですよねえ(苦笑)。比例もブロックにせず、日本全国ですればいいだけの話。それで今回の選挙直前に、前回選挙時に鳴り物入りで結党した「希望の党」が消滅したというのも、なんともむなしいものがあります。なお上の数値は、Wikipediaの第48回衆議院議員総選挙より。2014年の選挙でも、与党より野党のほうが比例では6ポイント以上多く票を取っています。

で、こういうことを選挙の結果が出る前に書いてはいけないのですが、来年の参議院選挙のほうが、私は国民の政権審判という点で意味があるかなと思います。今回の選挙では、まだ岸田政権の評価ができない。どこの党に投票するにしても、過去の自民党・公明党政権の評価で投票することになる。来年7月なら、各有権者なりに岸田政権、あるいは違うだれかを首相とする政権に対して、それなりの評価ができるのではないかと思います。

そんな話はともかく、月曜以降に何らかの選挙についての感想を述べる記事を書くかもしれません。書かなければごめんなさい。


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4 コメント

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Unknown (アンドリュー・バルトフェルド)
2021-10-31 09:56:40
>選挙区制度
少なくとも現行の衆議院選で採用されているそれが日本に合わなさすぎるのは確かです。
二大政党制を志向しての制度ですが、「もう止めるんだ」というのがあります。
バカウヨが対案を出せとトチ狂ったように騒ぐことの一つですが「最低限死票が少なくなればいいんだよ」という感じです。


>維新
イシンジャー(維新支持者の蔑称)は「自民と戦ってくれる」という妄想を抱いていますが「目を覚ませ」ですね。
法案賛成率が100%な時点で気づくべきです。

後は衆院選後に連立を持ちかけると危惧しています。
この点は、松井と馬場の意見が違う云々意見がありますが「愚かすぎないか」という感想です。
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Unknown (nordhausen)
2021-10-31 18:05:00
なお私は小選挙区は野党候補に、比例代表はれいわ新選組に入れました(共産党に入れることも検討しましたが、迷った末にれいわ新選組に入れました)。今回の選挙では維新の躍進が脅威ですが、せめて立憲民主だけでなく社民、共産、れいわ辺りも善戦してほしいと思いますね。

>選挙区

私も衆議院における小選挙区制は見直す必要があると思いますね。与党に有利、死票が多いという弊害がある上に、地理的に結びつきの皆無な地域同士が同一の選挙区となっている事例が多々ありますからね。
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>アンドリュー・バルドフェルドさん (Bill McCreary)
2021-10-31 20:06:32
小選挙区制というのは、連立与党である公明党ですら反対しているんですがね(苦笑)。どんだけ小選挙区が好きなのか(呆れ)。
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>nordhausenさん (Bill McCreary)
2021-10-31 20:07:27
そうですか。れいわも、この選挙が正念場でしょう。小選挙区制度は、あまりに死票が多すぎますよね。
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