拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「A.I.」のエンディングでバーバラ・ボニーが歌ってる件

2023-12-14 16:32:23 | 音楽

なんと手塚治虫の「ブラックジャック」の最新話は、その多くがAIの創作なんだって(じゃ「手塚治虫の」って言いづらいわねぇ)。これまで、AIは計算は得意でも創造的な分野は人間の仕事、と思ってたけど、創造までAIがやるようになったら人間の立つ瀬がないように思うあたしは昭和の人かしら。

AIと言えば、ずっと前「A.I.」って映画があって、大好きなSFの分野なのでBSで放送したとき録画したんだけど、なんとなく見ないうちに20年以上が経っちゃった。あ、これ、スピルバーグが監督なんだ。ってことは?思った通り、音楽はジョン・ウィリアムズ!これまで見なかったのが不思議。よし、この際だから見てみましょう(こういうとき、某大なコレクションが役に立つ)。

あら、思ってた話と全然違う(以下、ネタバレあり)。あたし、人工知能が人間に反乱を企てるような話だと推測してたんだけどそんなんじゃなくて、子供型ロボットが人間に捨てられた後「ホントの人間」になるための旅をするお話。主人公のロボットをピノキオになぞらえてるんだけど、子供が旅をするところが同じスピルバーグの「太陽の帝国」をも彷彿とさせる。まったく予期しない展開と結末でした。ペットと同じで「ロボットを家に迎えるんなら責任をもって、一生面倒みなさい」って言いたい。

「人間になりたい」と言えば、ピノキオのほか、「妖怪人間ベム(とベラとベロ)」もそう。「早く人間になりたい」が決まり文句でした。

おとぎ話のようなお話でありながら、ひょんなことから子供ロボットと旅を共にすることになるのは「愛人ロボット」(ご婦人相手に夜のお勤めをするロボット)。「I know all about women」が口癖(「水車屋の娘」にある歌詞をあてはめると「Ich weiss all von den Frauen」)なくらいだから、このロボットさんの行動はかなり際どくて、お子様が見るにあたっては保護者の配慮が必要……なーんて当局みたいなことを言ったら無粋というもの。演じてるのはジュード・ロウ。「ジュード」と聞いて、ビートルズの「ヘイ・ジュード」を思い浮かべたのは正しくて、イギリス人のご両親は「ヘイ・ジュード」(ともう一つなんとか)に因んで命名したんですってよ。あと、手塚治虫の「火の鳥」に、未来の人間が何にでも姿を変えられて好きな夢をみさせてくれる宇宙生物をパートナーにする話があった。「愛人ロボット」となかなかの勝負になると思う。

この映画、もともと「2001年宇宙の旅」のキューブリック監督の企画だったんだけど、キューブリックが死んじゃったんで、スピルバーグが引き継いだんだって。

キューブリックと言えばね、これは音楽横好きの横野好夫君から聞いたんだけど、この映画にリヒャルト・シュトラウスって人の「バラの騎士」ってオペラの中の「オックスのワルツ」って音楽が使われてるんだって。キューブリックは、「2001年」の中でもリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラがこう言った」って音楽を使ってて、「A.I.」に「バラの騎士」を使うのもキューブリックの遺志で、それをジョン・ウィリアムズが実現させたんですって。そのジョン・ウィリアムズのオリジナルの音楽は、「スターウォーズ」なんかとは全然違った静かな音楽で、エンディングの音楽もシックなヴォカリーズで、それを歌ってるのがバーバラ・ボニーって人なんだって。で、バーバラ・ボニーはとっても素敵な歌手で、「バラの騎士」の中のゾフィーって役を得意にしてるんですって。あたしは、「ゾフィー」と聞けば、ウルトラ兄弟の一番上のお兄さんしか知らないけど。

 



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