拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

詩が先か、音楽が先か

2018-03-23 08:40:46 | 音楽
アサイチにユーミンが出てる。こういう生番組に出るのは笑っていいとものテレフォンショッキング以来だという。それ覚えてる。お友達紹介のときにタモリさんと名前の読みが同じ某氏(某事件で注目されていた)を呼ぶとか言い出してタモリさんをあわてさせたんだった。そのユーミン、「音楽が先で詩は後から」と言っている。クラシックでも必ずしも「詩からインスピレーションを得て曲ができる」(詩が先)とは限らないようで、「バラの騎士」の第3幕の最後の二重唱はシュトラウスの曲が先にできていて、それに合う詩をホーフマンスタールが付けたそうだ。そこは大作曲家。相手が気鋭の詩人でも歌詞についてかなりの注文を付けたようで、そのあたりの関係性はヴェルディとアリゴ・ボーイトの間にも見て取れる。まあ、オペラの台本を書く人にもいろいろいて、劇場の座付き作家として台本を量産する人もいれば(今やってる朝ドラの万丈目さんの役どころ。このドラマ、しばらく脱落していたが、リリコが可愛いので、最近またちらほら見ている)、芸術性にこだわる人もいたりして、例えば、プッチーニのボエームの台本は、ストーリーを組み立てるイルリカとそれに芸術性を付与するジャコーザの二人の作家の共同作業であった。台本作家といえば、バッハのカンタータにも台本作家は欠かせなかった。もちろん、聖書やコラールが土台なのだが、その合間の部分は、土台を元にした自由詩が使われていて、その作者は、今で言う座付き作家(朝ドラの万丈目さん)みたいな人たち。ほとんど名前が残ってない。偉い人たちは、その台本の「不出来」をあげつらっている。私にはいいんだか悪いんだかは分からないが、語順はドイツ語学校で習うルールを無視していることが多い。歌詞はえてしてそうだというが、ゲーテ・インスティトゥートの試験なら落第だ。でも、バッハが毎週カンタータの作曲で大変だったと言うんだったら作家さんだって同じく毎週の作業なんだからお疲れ様だったと思う(韻とかも踏まなきゃいけないし)。

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