拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

あわや大惨事

2024-07-21 21:14:04 | 日記

奥地に向かう途中、電車が急ブレーキをかけ、警告音が延々と鳴り続けるうちに停車。停まったのは、幅2メートルくらいの踏切のかろうじて手前?いや、踏切にかかっている。

わあ、やだ、私が乗った車両が人を挽いた?先頭車両に乗っていたが、とてもじゃないが外を見ることができなかった。だが、おそるおそる目をやると、高齢の女性がすくっと起ち上がって、下りた遮断機のこっち側(線路内)に立ちすくんでいる。どうやら、自分が電車に挽かれそうになったことも、自分が依然として線路内にあることも分からず、ひたすら遮断機が上がるのを待ってる様子。すると、線路の外側から人が集まってきて、女性を遮断機の外側に出るように促し女性は安全地帯に。男子が一人、遮断機をくぐってささっと車両の下あたりから救いだしたのは女性のものと思われるキャリングケース。その間、車内では「踏切で転倒した女性と車両が『衝突』したので安全確認を行ってます」とのアナウンスが流れた。え?衝突?してないでしょ。女性はちゃんと歩けてたし。何かが衝突(接触)したのならそれはキャリングケースのことかも。とりあえず、怪我をした人がいなさそうでよかった。だが、当然、現場検証が待っている。すぐに発車というわけにはいかないのは素人でも分かる。アナウンスをした運転手さんは運転席から下に下りて(文字通りのワンマン。全部自分でやってる)、踏切からちょっと離れたところに停まっていた車の中にいるらしい件の高齢女性から直接……というわけにはいかないらしく、その女性を引き取った別の人から聞き取り調査(親族なのか知人なのかはたまた見かねて女性を病院に送ろうとひきとった赤の他人なのかは不明)。ときどき、車内に戻っては、車内放送で、事情説明をしてるうちにとんだ「二次災害」が発生した。そのとき私は既に後ろの車両に移動していたのだが、突然、先頭車両でモノをたたく音がし、同時に男性の怒号がとんだ。どうやら、運転席を蹴り、早く電車を出せとわめく乗客が現れたらしい。件の高齢女性は認知症なのかもしれない。そして、この男性も、精神状態は認知症でなくても、それ以上に危険である。幸いに、騒ぎはすぐ止み(誰かが取り押さえたのだろうか。あるいは、仏の顔をして宥めたのだろうか)、ほどなく列車は運転を再開した。私は、運転手さんに心の中でブラヴォーを捧げた。踏切の異常をいち早く察知して急ブレーキをかけて大惨事を防いた大功労者である。しかも、その後の女性の安全確認ほか現場の検証を一手に行い、加えて心ない乗客の暴言・暴行に対しても冷静に事を収めて運転を再開した手腕はとびきりの賞賛に値する。こういう若い人がいる限り日本はまだまだ大丈夫と思った(怒号を発した中年のおっさんの存在は日本国のマイナス点ではあるが)。そんなこんなで降車駅に着くと、単線なのにいつもと違って上り電車が待ってない。事故によりダイヤが乱れたのだな。ホームにいる乗客は事情を知らないらしく「ときどき、ダイヤが乱れるのよねー」との声が聞こえた。

そんなわけで、予定よりちょっと遅れて奥地の家に行き、ゴキブリほいほいもどきをセットしたら自分がひっかかってしまい、手についた糊をはがすのに一苦労であった。それから、こないだ垣根を剪定した翌日、やたらと目がかゆくなりまぶたが腫れたのだが、今日、剪定した枝木をビニール袋に詰める作業をしていたら、やはり目がちくちくっとして痒くなった。どうやら、垣根の木の木くずが私にアレルギー反応をもたらしているっぽい。やはり、梅の木とさざんかの木を残して全部業者に根こそぎ成敗してもらおうか、との意を強くしたワタクシであった。


影武者/ペースメーカー

2024-07-21 07:23:55 | 音楽

横野好夫です。O姫がメンテのため短期入院。入院先は、ちゃんとした人がちゃんとした楽器を診せにいくちゃんとした工房。そういうちゃんとした所に私のようなちゃんとしてない人間が行くのは憚られたが、O姫自体は元はと言えばマリゴ家という由緒正しい旧家の出身である(その後、身を持ち崩して私の元に来たが。因みに、来週の朝ドラでは、ヒロインのクラスメイトだった元華族様が登場する模様である)。

その工房の主人(とっても親切)が、私に「高いレはどういう指遣いで出してますか?」と聞く。その指遣いによって調整が違ってくるらしい。よかった。私は高いレまでは出している。これが高いミだったら答えられないところであった。

O姫の入院中は影武者にがんばってもらう。

この影武者、生まれは平民の家であるが、何処の馬の骨とも分からなくはなく、一応、お里が知れている。その点、ウチにいる鞍属のベー姫(旧家出身)の影武者(お里知らず)よりはずっとましである。しかも、大吠属の姫で最初にわが家に来たのはこちらである。大吠を一度触ってみたくて、どうせちょっと触るだけだからと家名を気にせず安く購入したのだが、これが箸にも棒にもかからなければそれで終わったのだが、思いのほかいい音が出る。すると欲が出てきて、それで旧家出身のO姫を迎え入れた次第である(そのときO姫はもう身を持ち崩していたから、家の名前からすれば格安であった)。その影武者であるが、久しぶりに吹いてみたらかなり良い。ウチに来た当初、いろいろ不備があったが(だからO姫を迎え入れたのだが)、今回、ほとんど気にならない。当初の不備は結局私の腕の問題であったか(そりゃそうだ。そのとき私は初めて大吠に触ったのだから)。家のせいにした私は間違っていた。平民出身でもちゃんと扱えばそれなりに使えることが分かった。リードについても同じである。当初、5枚一組の安い輩が箸にも棒にもかからないと思って、どんどん高いヤツを買い足していったのだが、今回「安い輩」がそこそこ鳴るのでびっくりした。考えてみたら、家柄を言ったらそもそもの私が影武者嬢とどっこいどっこいである。家がどうのと言える立場ではなかった。

O姫をドックに入れたのは、とある本番にO姫で出演する話(既述)が、どうやら夏の夜の夢で終わらずホントになるかもしれないので、焦って、できることは全部しとこうと思ったからである。

短期入院で思い出すのは亡き母のこと(がらっと変わって次は人間の話である)。ペースメーカーの電池の交換のため入院したとき、当初は二泊の予定だった。ところが、入院した翌日病院から電話があり、母が病院内を徘徊して手に負えないから今日にも引き取ってくれ、ということだった。だから引き取った。え?じゃ、もともと一泊でも足りたの?とも思ったが言わなかった。その電池について言われたのは、「これまでペースメーカーはあまり動く必要がなかったみたいなので(え?じゃ、もともとなんでペースメーカー入れたの?と思ったが言わなかった)、電池の電力をしぼって10何年持つようにした」ということだった。母が亡くなったのは、その半年後である。そんなこんながあったので、私は、ペースメーカーだけは生涯何があっても絶対入れないつもりである。

因みに、写真に写っている黄色いメガホンのようなブツは、メガホンとは逆で、歌用の消音器である。