拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

新家計簿/バイロイトの第九

2022-12-29 08:53:43 | 音楽

家計簿を一新した。これまで使ってたやつは、20年前にエクセルで自作したものだが、さすがに現在の状況にそぐわなくなった。例えば、項目がないため、楽器は日用品費に、団費は雑費に計上しているが、いくらなんでもチェロと洗剤を同じ項目で扱うのは変。それでも、前年との比較ができる等々の理由で変えてこなかった。だが、親がいなくなり(家出をしたわけではない)、廃業して、音楽の会もいろいろやめて現在ミニマム状態。いつ変えるの?いまでしょう(「イェッツト」という馬がいる)、というわけで大改訂。今度のは趣味の部が大充実。「楽器」「CD・DVD」「本」「映画・演劇」「オペラ・コンサート」「温泉」「宿泊」「その他エンタメ」の豪華ラインナップである。これまで疑義があったダウンロードもCD等や本に含ませることで解釈を統一した。楽器や団費も間借りを返上し「持ち家」を持つこととなった……が、よく考えてみたら、今後、楽器を買う予定はない。せっかく作った項目に数字が並びそうもない。新装オープンの店に客が来ないのと同じである(かつて、資格をとって丁稚奉公してた頃「独立したら仕事を回しますよ」と言ってくれた人で独立後お客さんになった人は皆無)。楽器を買うと言えば、ある用途のために、この暮れ、クラリネットのEs管を買おうか迷っていたが、その用途はなくなった。あわてて変なヤツを買いそうになっていたが、そうならないで良かった。これからは、クランポンのEs管あたりの中古がお値打ち価格で出るのを辛抱強く待とう。でも、買って何に使うの?幻想交響曲のEsクラのパートを吹いて遊ぶの。え?それだけのために?もったいない(おなじみの1人問答)。

私の歌のお友達は、この時期になると、第九を歌ったりそのコンサートに行ったりで大忙し。けど、私は、一応バロック畑の住人を自称してるから第九を歌うことには縁が無い(大学のとき、大学の全合唱団が集まって歌ったときっきり)。それでも、隠れベートーヴェン・ファンだから(隠れてないという噂も)、第一楽章から全曲ソラで歌えるくらい聴いている。で、昨夜、ホントに久しぶりに「フルトヴェングラーのバイロイトの第九」を聴いた。名盤の誉れ高い演奏で、子供の頃、「名曲名盤500」等で、他の曲では意見が分かれる評論家達がこぞって一位に挙げたものである(だが、そこにも同調圧力を感じないでもなかった)。エンディングがぐだぐだにずれることで有名な演奏でもある。だが、フルトヴェングラーは、ロマン派の香りをひきずった時代の人で、ねっとり感は半端でない。私は、途中からsachlich(即物的)な傾向の強いバロック畑に移住したし(畑には住めないけれど)、フルトヴェングラーの対極にあるカラヤンについてアンチからファンに転向したこともあって、フルトヴェングラーはとんとご無沙汰であった。それを、ホントに久しぶりに聴いたのである。すごい。やはりすごい。一つ一つの音すべてに生命が宿っている。八百万の神のような演奏である。夕食や入浴を就寝の2時間前までにしなければならないのと同様、フルトヴェングラーを聴くのは就寝の2時間前までにすべきである。じゃないと眠れなくなるし、血圧も上がること請け合いである。

新家計簿に戻る。外食の部も大きく変えた。これまでは「外食(仕事場)」「外食(ゼリ)」「外食(その他)」の分類だったが、仕事で外で食べることなんてとんとないし(つうか、そもそも仕事はしてないし)、サ○○○ヤに行くことも随分少なくなった。そこで、場所で分類するのではなく、人数で分けることにした。「外食(お一人様)」「外食(2人)」「外食(3人以上)」である。このうち、「お一人様」は確実に数字が連なるし、「3人以上」もたまには数字が載るだろう。問題は「2人」、すなわち「おデート」である。ここが数字で埋まることは、「楽器」が数字で埋まることよりももっと期待できない(楽器の場合は、クラリネットのリードや弦楽器の弦を買うことがある)。しかし、気は心、諦めない心持ちが大切。「三苫選手の1ミリ」ってこともある。そう言えば、大学時代の合唱メイトが、在学中に親から結婚したら住む家を九十九里に建ててもらっていた。ずっと空き家だったそうだが、もう埋まっちゃっただろうか(浜に埋まった、ではない。埋まってなければ(家計簿を数字で埋める代わりに)私が埋まってもいいなと思って)。


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