拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

パトリシア・プティボン

2010-12-06 10:32:59 | インポート
男二人が変装して互いに相手の彼女(姉妹)をくどく、で、これがうまくいってしまう、これ、モーツァルトのオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」です。「コシ」=「こうしたもの」、「ファン」=「女性」、「トゥッテ」=「みんな」、したがって、邦訳は「女はみんなこうしたもの」となります。つまり、女はみんな浮気性、ってことです(私が言ってんじゃないですからね。)。堅物のベートーヴェン先生は、このオペラが大嫌いだったそうです。なにしろ、ベートーヴェン先生、囚われの身となった夫を妻が救出するというオペラを書いたくらいですから、こんな不道徳な話、許せるはずはありません。ベートーヴェン先生にとっての「コシ・ファン・トゥッテ」は、女はみんな偉いもの(であるべし)、だったのでしょう。先週CSで見た「コシ」、ベートーヴェン先生だったら頭から湯気を出したんじゃないかと思うくらいあからさまな演出でした(くどきに落ちた女性が下着姿で男にだっこされてベッドルームに消える、といった具合。)。でも、歌手はみんなよかったです。特に、デスピーナ(経験豊富で姉妹に浮気を勧める)を歌ったパトリシア・プティボン!ダンサーのような動きを要求されながら、歌唱完璧!途中、通常の音のオクターブ上を歌って聴衆のどきもを抜きました。こんなすごい歌手、私、知りませんでした。だめだなー、もっと勉強しよっと。