『デルスウ・ウザ-ラ上下』 アニセ-ニエフ著 河出文庫
写真家星野道夫氏がこよなく愛した本です。
20世紀初頭、シベリアの調査するアニセ-ニエフ一行とゴルド人デルスウとの探検記です。
デルスウはアニセ-ニエフのことをカピタン(親方、隊長)と呼びます。
冒頭場面で誰のためでもなく塩や薪を小屋に置き、それを見たカピタンがなぜそのようなことをするのか尋ねる場面があります。
『「誰か、誰か、別の人、くる。小屋見つける、かわいた薪みつける、マッチみつける、くいものみつける、死なない」とデルスウはこたえます。
旅人へのこの配慮!どうしてこの気持ちのいい感情、他人の利害にたいするこの配慮が、町に住む人々には荒れすさんでしまったのか。だがこれは都会人にも以前はあったものである。』
野生動物と人との違いは、人は埃を作り出してしまうことであろう。
デルスウは家族を天然痘で失い、自然と共に暮す生活の中で埃を作り出すことはしなかった。
都会生活の中では、多くの人が叩けば埃の出る体になってしまい、暮らしの中では便利さの元で常に埃のでる生活を強いられる。
僕たちは埃を払うのに必死で本当の人間(デルスウ)、生活というものを知らなかったのかもしれない。
写真家星野道夫氏がこよなく愛した本です。
20世紀初頭、シベリアの調査するアニセ-ニエフ一行とゴルド人デルスウとの探検記です。
デルスウはアニセ-ニエフのことをカピタン(親方、隊長)と呼びます。
冒頭場面で誰のためでもなく塩や薪を小屋に置き、それを見たカピタンがなぜそのようなことをするのか尋ねる場面があります。
『「誰か、誰か、別の人、くる。小屋見つける、かわいた薪みつける、マッチみつける、くいものみつける、死なない」とデルスウはこたえます。
旅人へのこの配慮!どうしてこの気持ちのいい感情、他人の利害にたいするこの配慮が、町に住む人々には荒れすさんでしまったのか。だがこれは都会人にも以前はあったものである。』
野生動物と人との違いは、人は埃を作り出してしまうことであろう。
デルスウは家族を天然痘で失い、自然と共に暮す生活の中で埃を作り出すことはしなかった。
都会生活の中では、多くの人が叩けば埃の出る体になってしまい、暮らしの中では便利さの元で常に埃のでる生活を強いられる。
僕たちは埃を払うのに必死で本当の人間(デルスウ)、生活というものを知らなかったのかもしれない。