アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

表裏一体

2010年04月12日 | 雑想
寺田寅彦の随筆「科学者とあたま」を読んでみました。
(http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2359_13797.html)

「いわゆる頭のいい人は、言わば足の早い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かない所へ行き着くこともできる代わりに、途中の道ばたあるいはちょっとしたわき道にある肝心なものを見落とす恐れがある。頭の悪い人足ののろい人がずっとあとからおくれて来てわけもなくそのだいじな宝物を拾って行く場合がある」(本文より)

寺田寅彦は頭の悪い人を蔑視しているわけではなく、頭のいい、悪いを両方兼ね備えていた方がいいと記しています。

頭のいい人は、人のあらを探すのが得意とも記していますが、よく人と長くつきあっていると人の欠点が見えてくると言う人がよくいらっしゃいますが、僕流の解釈だと「自分に及ぼす不都合な性癖」となります。
苦労人といわれる人物であれば(寺田寅彦にいわせれば頭の悪い人)、そうしたことも理解し、表裏一体でその人物を眺めるのではないか。

表裏一体で思い出しましたが、芥川龍之介は木には表と裏がある、と記しています。
こうした感覚は僕にはなかったので新鮮です。

すべてのモノには裏表がある。
裏の定義は?表の定義は?そんなことを考えていると、この世の中には別の世界が存在するのではと思ってしまいそうです。(笑)

コメント (2)
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