暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

静岡の旅・・・(2)日本平ホテルのホスピタリティ

2021年03月11日 | 

        (日本平ホテルから富士山をパチリ)

(つづき)

静岡の旅で宿泊した日本平ホテルは学生時代からの憧れのホテルでした。

5年前、同窓会でこちらに泊まるはずが急遽参加できず、今年も友人二人と宿泊する計画がコロナで見送られ、泊まる機会を逸していました。

2月は白銀の富士山がくっきりと眺められる、ベストシーズンです。

 

          (日本平ホテルの客室からの眺め)

その日は天気にも恵まれ、部屋から富士山はもとより清水港、三保の松原、清水や興津の街並み、薩埵峠(さったとうげ)、愛鷹山、箱根の連山、伊豆半島の大パノラマが広がり、見ていて飽きません。

だんだん暗くなってきて富士山が見えなくなると、夜景が美しく輝き出します。

「あれだけ美しい富士山を見ていると、ライトアップされるような錯覚を起こすわね」ツレと話しながら、ちょっとだけドレスアップしてレストランへ向かいました。

メニュウを見ていると、給仕係の女性(Aさん)が近づいてきて「わからないことがありましたら、どうぞ何でもお尋ねください」と声をかけてくれました。

アルコールがダメなのでオレンジジュースを注文すると、

「静岡産のミカンジュースはいかがでしょうか? 美味しくお勧めです」

「せっかく静岡に来たのだから、お勧めのミカンジュースにします」と私。

前菜に使われている食材(クスクス)はお味も触感も初めてでしたが、こちらが理解できるまで丁寧に説明してくれました。静岡名産のカリフラワーのスープも珍しく、産地ならではのお話を伺うと一段と美味しく感じます。

夜景を見ながら、ゆっくり運ばれてくるフレンチのコース料理をAさんの給仕で堪能し、心豊かなひと時を過ごすことができました。(器や盛り付けのセンスも素晴らしく写真がないのが残念ですが・・・ここは優雅に食することに徹しました)

給仕係としての訓練だけでなく、きっとAさんの弛まぬ努力の賜物と思いますが、さりげないサポートが誠に絶妙で心地よく、ふたりで感激しました。

 

     (夜景を楽しみながら、心に残るディナーの時間を過ごしました・・・)

・・・そして思うのです。茶事や茶会のおもてなしも同じでは・・・と。

でも、こんなにもさりげなくお客さまに寄り添って、お客さまが心地好いと喜んでもらえるおもてなしができているだろうか? 一生懸命だけではなく、その先を行く心遣いがもっと必要なのでは・・・・いろいろ考えると、反省することばかりでした。

日本平ホテルで給仕係のAさんに出会えたお陰で、ホスピタリティ(おもてなし)の真髄を考える機会を得て、本当に良い経験になりました。

 

       (日本平ホテルの正面玄関)

      (360度の眺望がすばらしい日本平・夢テラスにて)

また、来年の結婚記念日にふたり元気で旅したい・・・と願っています。

 

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静岡の旅・・・(1)臨済寺の茶筅塚

2021年03月08日 | 

      (富士山がだんだん大きくなりました・・・東名高速にて)

 

2月28日は〇〇周年の結婚記念日でした。

緊急事態宣言中ではありましたが、静岡へ車で出かけました。

静岡市は私ども夫婦が出会った地であり、どうしても結婚記念日に行きたい・・・と。

その日は快晴、車窓から前に右に後ろに白銀の富士山と追っかけっこをしながら静岡へ1時間半で到着。

       (富士川サービスエリアから富士山を臨む)

 

先ずは浅間神社へコロナ退散と旅の無事をお詣りしました。

  (浅間神社の花手水・・・コロナ禍で手水を使う人はいませんが)

「おせんげんさん」と静岡市民に親しまれている浅間神社、総漆塗りの極彩色の豪壮華麗な社殿が素晴らしく、お詣りするのがいつも楽しみです。

竹千代(徳川家康の幼名)が元服式を行ったことから徳川氏の崇敬を受け、江戸時代60年の歳月をかけて再建されました。社殿は26棟あるそうで、全てが国の重要文化財に指定されています。

浅間神社に車をおいたまま、徒歩で臨済寺へ向かいました。途中で見える富士山にびっくり!「静岡から見える富士山ってこんなに大きく低かったかしら?」

  (山門の仁王像の迫力に圧倒されました・・・)

       (静寂な中に読経が聞こえて・・・臨済寺にて)

臨済寺は臨済宗妙心寺派、修行僧の専門道場のため拝観ができませんが、辺りを祓い清めるような読経が聞こえてきました。

竹千代が今川家の人質時代に預けられていた寺で、ここで今川家の軍師でもあった雪斎和尚から薫陶を受けたことが知られています。

本堂に向かう石段の途中に茶筅塚を見つけ、興味深く碑文を読みました。

    (茶筅塚の碑文に大先輩の心意気を感じて・・・)

裏千家茶道・名誉師範の岡田宗清さまの米寿を記念しての茶筅塚で、昭和五十六年十一月十五日に建立とありました。もちろん、お会いしたことはありませんが、「七十有余年振り続けた茶筅の霊を供養するため・・・」とあり、なにか、裏千家茶道を追求された岡田さまの万感の想いが心に迫ってきました。

(・・・ここまで書いて中断していたら電話があり、今日庵へ伺う用事ができました。急なことだったので驚きながらも、何かとても不思議です・・・岡田大先輩のお導きでしょうか?)

 

    (臨済寺近くにあった今川義元公の墳墓)

丁度昼時になり、臨済寺入り口にある手打ち蕎麦屋「無」にて天せいろを食べました。手打ち蕎麦という看板を見ると入りたくなり、困っています。中に入ると、とてもステキな雰囲気のお店で、お味も良くお勧めです。

  (蕎麦ちょこを染めた暖簾・・・「無」にて)

浅間神社に戻り、日本平へ向かいました。

日本平ではロープウェイに乗り、久能山東照宮をお詣りしました。

昔、静岡にいる頃だったら1159段(いちいちご苦労さん)の石段を駆け登ったことでしょうが、最初から諦めてロープウェイです。疲れて痛み出した左膝をかばいながら、それでも石段を登らないと本殿にたどり着けません。

ロープウエイから海や伊豆半島が望めます。海岸添いに並ぶ石垣イチゴのハウスが夕陽に輝いていて、明日のイチゴ狩りが楽しみです。

  (久能山東照宮拝殿の正面にある「司馬温公の甕割り」にちなむ彫刻)

 

その日は日本平ホテルで1泊しました。(つづく)

 

         静岡の旅・・・(2)へつづく

 


「薔薇の茶会」・・・櫻井ファームへ会場変更

2021年03月03日 | 薔薇の茶会・・2021年5月

     (あの日から「薔薇の茶会」を夢見て・・・います 

 

「薔薇の茶会」(5月29日(土)開催予定)の会場が「FLOWER GARDEN」から「櫻井ファーム」へ変更になりました。

前回の「「薔薇の茶会」を夢見て・・・冬剪定」から短い間にいろいろありまして・・・。

 

   (農場と呼ばれている「櫻井ファーム」(横浜市旭区下川井町1558))

2月10日、「FLOWER GARDEN」のオーナーである櫻井造園土木会社の担当Yさんが茶会の打ち合わせで我が家へやってきました。

その時に、「FLOWER GARDEN」のバラの半分が農場と呼ばれている「櫻井ファーム」へ管理の都合で移植されたことを知りました。

もうびっくり仰天!しました。

「薔薇の茶会」は無理かしら? ・・・すっかり落ち込んでいましたが、

「農場(櫻井ファーム)で開催してはいかがでしょうか? 農場にもステキな薔薇園がありますし、その頃になると他の草花も咲いてとても綺麗ですよ」

というお申し出をいただき、社中のN氏と農場の見学へ出かけました。

 

     (サボテンや観葉植物が展示されている温室)

       (居心地の良さそうな温室内のテーブル席)

大きな温室が2棟あり、中へ入ると、たくさんのサボテンが出迎えてくれ、オーナー夫人のSTさまが親切に応対してくださいました。

広大な農場にはいろいろなエリアがあって、冬のため広い庭園の植物は休眠中ですが、温室にはランなどの熱帯性植物が緑豊かに葉を茂らせています。それらを見て歩くだけでも楽しかったです。

 

     (広い薔薇園・・・薔薇が咲く時が楽しみ!です)

エリアの一つ、バラ園。地植えのたくさんのバラや、ポーチやフェンスにからまった蔓バラが芽出しの春をひたすら待っている様子が見て取れました。

「今は殺風景ですが、こちらの棚はキュウイン、こちらのアーチには蔓バラが咲きます。あちらの桜の大木の周りにはしだれ桜が植えられていて春は見事ですよ・・・」

 

        キュウインの棚のあるテラス

         ガゼボ(西洋風あずまや)

休み処として設置されているガゼボ(西洋風あずまや)やガーデンチェアのあるテラスも優雅で、ステキでした。

春はまだ遠く、今は枯草色の農場ですが、農場や草花への愛情が感じられるSTさまのお話を伺っていると、色とりどりのバラや草花が咲き乱れている農場が目の前に浮かんできて、

「こちらで「薔薇の茶会」をしたい!」とすぐに思い、5月29日(土)の開催をお願いしたところ、快く承諾してくださいました。(ありがとうございます! )

 

      (クリスマスローズ(雪起こし)が咲いています)

詳細はこれからですが・・・濃茶席1席と薄茶席2席でお客さまをおもてなししたい・・・と、新たな夢が膨らんできました。

「元気が出る楽しい茶会」「医療に寄付する茶会」など、何かお役に立てたら・・・嬉しいですね。

5月29日(土)開催の「薔薇の茶会」の正式なご案内(参加募集)は3月末頃に当ブログでさせていただきます。どうぞご参加くださいませ・・・ 

 

追記)お問い合わせ(個別メールのご案内希望など)がありましたら、下記メールへお願いします(お名前、住所、連絡先をどうぞお忘れなく・・・)。

      (暁庵のメール:akatuki-ane@grace.ocn.ne.jp)