暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

静嘉堂へ  日本陶磁名品展

2011年05月27日 | 美術館・博物館
5月21日(土)、静嘉堂文庫美術館の「日本陶磁名品展」へ行きました。

折しも5月17日(火)の讀賣新聞の夕刊「ぎゃらりいモール」に
戸栗美術館「青磁の潤い 白磁の輝き」に展示されている
「青磁染付 樹鳥文 葉形三足皿」の魅惑的な写真が載っていました。
杉谷香代子学芸員の解説も興味深く、我が家では陶磁器にがぜん話題沸騰!
直前まで戸栗美術館展(6月26日まで)へ出かける話になっていたのです・・・。

でも、会期が短い「日本陶磁名品展」(6月12日まで)へと話がまとまり、
二子玉川の某所へ車を預け、歩いて静嘉堂へ向かいました。
昭和44年(1969年)まで東急玉川線の支線・砧線が走っていた通りを
その名残りを捜しながら行くと、二子玉川郵便局近くに
「砧線中耕地駅跡」という石碑を見つけました。

                

今は幻となった砧線跡の道路に別れを告げ、そこで右折しました。
中耕地商店街を抜けて丸子川に沿って左折し、
川添いにしばらく行くと、静嘉堂のバス停が右手に見えてきます。
ここは多摩川の河岸段丘(国分寺崖線)で、
門をくぐり、鬱蒼と茂った樹木の道を上っていくと、
段丘の上に静嘉堂文庫美術館があります。
二子玉川駅から徒歩20分位でしょうか。

               
               静嘉堂バス停近くの小公園にある道しるべ

今回は、仁清(京焼)、織部(美濃)、唐津、伊万里など、
日本の焼物が中心ですので、時代も比較的新しく、身近な感じがしました。
特に、昨年のGWに訪れた平戸、有田、伊万里、唐津
名品に逢えて嬉しい限りです。

一番のお気に入りは、尾形乾山作「銹絵染付春草図筒茶碗」(18世紀)です。
特別出品の酒井抱一作「麦穂菜花図のうち 麦穂図」と共に展示されていて、
その一画に吸い寄せられました。
空いていたので好きなだけ何度も見ることが出来ました。

それから、野々村仁清作の「銹絵白鷺香炉」。
今回の名品展の目玉は、野々村仁清作の「色絵吉野山図茶壺」と
「色絵法螺貝香炉」(17世紀、共に重要文化財)のようですが、
「銹絵白鷺香炉」は品が良く、白鷺の形や目が深く印象に残りました。

もう一つ、有田の「銹釉染付鷺文輪花皿 5枚」(17世紀)。
どうしたら磁器に、こんなに繊細に白鷺が描けるのでしょうか?
不思議な気持ちで眺めました。
吸坂手(すいさかで)と呼ばれるもので、
染付の白鷺が浮き出るように渋い銹釉が掛け分けられていて、
色の対比も素晴らしい優品でした。

              

              

帰りに屋根を葺き替え中の「岡本民家園」へ立ち寄り、
川添いに二子玉川駅へぶらぶら戻りました。

                                 

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