「FLOWER GARDEN」にて 2020年12月1日撮影
ブログに晩秋の薔薇園を書いてから、「どなたか御一人からでもコメントがないかしら?」と心ひそかに待っていました。
・・・昨日、TIHOさまからメールを頂き、飛び上がるほど喜んでおります。以下に一部を掲載します。
TIHOさまからのメール
暁庵様
はや臘月も半ばとなりました。暁庵様がお元気に御茶事をされているご様子をいつもブログで拝見しております。
そのブログで、薔薇園の茶会のお話しを読んでメールさせていただきました。
じつは私は若い頃からの薔薇好きなのです。
ブログを拝見してとても懐かしく、薔薇園でのお茶会の折には、是非ぜひお声をかけて頂きたいと思いました。
高校の敷地内に薔薇の三叉路がありまして、15歳の時に園芸部でバラの世話をして以来、35歳まで薔薇をつくっておりました。
アパートの鉢植えから始まり埼玉在住の頃は、25坪の畑を借りて大株を100本ほど育てていましたが、或る時に薔薇づくりをやめました。
何故、薔薇づくりをやめたか、それは災難というか、事故というか・・・
畑をやっていた頃、5~6月は狂乱の月でした。
朝に薔薇を切るとバスタブいっぱいになり、仕事を終え帰宅してもすぐお風呂に入れないほど。それでバケツ3つほど薔薇を入れて通学路に「ご自由にお持ちください」と出したりしました。
車を止めて花見をする人が隣の畑にブルーシートを敷いて叱られたり・・・好きで作っていたのですが、悪目立ちしたのでしょうね。
(ちょっと寂しい冬場の薔薇園・・・2020年12月1日撮影)
バラは冬場は大株を30~40㎝に剪定し、12月から2月まで作業はお休みです。
1月のある朝、久しぶりに畑に行ってみたら、大きな穴が50個ほど空いていて、そこに植わっていた薔薇がありません。余りのことに驚き、どうしたらよいかわかりませんでした。
借りている土地は鍵をかけるわけにもいかず、今のように防犯カメラも思い浮かびません。
フルタイムで勤めて次男の産休明けでしたので、早朝張り番をするわけにもいかず、結局、2月までに100本の株を全部盗られてしまいました。
盗った人はどう見てもプロ、(大株なので掘る手間とトラックが必要ですし) 各国の珍しい品種を取り寄せ、割り箸のような苗を3年ベランダで育ててから畑に移植していました。
バラの名、産種国、色、香りの名札付です。大きな鉢に植えて売れば、かなりの値がついたと思います。
余りのことに呆然とし、その年の春に畑を解約して薔薇づくりをやめました。
(大輪の黄色の薔薇が咲いています・・・・2020年12月1日撮影)
いま我が家の屋上にある薔薇はプレゼントの寄せ植えに入っていたミニバラばかりで大株はありません。
果物や家畜の盗難のニュースを聞くたびに、ボコッと穴のあいたあの畑の風景を思い出します。
薔薇は大好きだけど、個人の薔薇園は土地持ちのお金持ちの趣味なのだと若い私は思ったのでした。
若い頃の挫折の話を長々と申し訳ありません。
20年も夢中でやっていたこともある日やめてしまうことがある、とその時知りました。
ちゃんとお茶を始めてまだ12年くらいです。
「歳歳年年人同じからず」
今年は3月から9月まで茶事はできず、10月に一客一亭で再開したもののまた年内のお約束をキャンセルさせていただきました。来年こそ再開したいと思います。
時間があるので、これまでの茶事のことを反芻していますと、当時気づかなかったことなども気づき、あれこれ考えています。
お茶は楽しく難しく、でも続けていきたいと思います。
暁庵様にもどうぞ良いお年をお迎えください。 TIHOより
(アーチではまだまだ咲いていました・・・2020年12月1日撮影)
TIHOさまへのメール
薔薇とお茶を愛するTIHOさまからメールを頂き、ありがとうございます。もうもう嬉しく拝読しました。
薔薇園の茶会を開催できるようでしたらぜひお出ましくださいませ。来年5月15日以降の土曜日または日曜日を希望していますが、まだ未定です。
20年間の薔薇との親交の歴史を感慨深く読ませて頂きました。
お仕事と育児の傍らに大切に育てた薔薇100本が盗まれたくだりにはわがことのように悔しい思いがしました。
私は鑑賞するばかりですが、手塩にかけて育て上げ、大輪の薔薇を咲かせる喜びはいかばかりだったか・・・と存じます。
薔薇園のオーナーは土地の方で、造園会社を経営されています。薔薇園の他にも「農場」と称する広大なガーデンを造園中で、そちらもとても魅力的な場所です。「農場」は1回行っただけですが、秘密の花園と呼びたいような不思議なガーデンで、私にとって玉手箱みたいです。
近くにいろいろ魅力的な場所があることを発見できたのもコロナ禍のおかげかもしれません。(時間もあり、少しでも筋力をつけるために歩いていますので・・・)
来年、お茶事やお茶会で元気にお目にかかれることを楽しみにしております。 暁庵より