暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

長屋門公園 「古屋和子一人語り」

2010年10月23日 | 茶事
横浜市長屋門公園の清水靖枝さんから
「古屋和子さんの一人語りが10月16日(土)午後にあるので
 いらっしゃいませんか?」
と、お誘いがありました。

「古屋和子一人語り」は長屋門公園で年1回開催されている
大好きなイベントですが、なかなか行けませんでした。
囲炉裏ばたの舞台で琵琶をかきならしながら語った
「修善寺物語」の素晴らしさを思い出し、すぐに申し込みました。

二百年を経た古民家の囲炉裏ばたが舞台であり、客席です。
座布団が板の間に並べられ、土間には椅子席が設えてありました。

                 

シックな着物姿の古屋和子さんが琵琶を持って登場しました。
演題は池宮彰一郎作 赤穂事件外伝より
「その日の吉良上野介」と「下郎奔る(はしる)」でした。

「その日の吉良上野介」は、
赤穂浪士の討入りのあった元禄15年12月14日の前日、
吉良邸の茶室で上野介が家臣と明日の茶会の準備をしながら
浅野内匠頭が刃傷に及んだ、その日のことや
刃傷へ至った数々の行き違いの経緯、心境を思い起こすというものです。

天下の名器、「交趾の大亀香合」がからむ話になっていて、
夢窓国師の墨蹟、鶴首古銅、名物の茶道具が次々と話の中に登場するので
茶会の道具組や様子を想像しながら、楽しみました。

赤穂事件最大の謎とされる刃傷の真因が
吉良上野介の述懐として次第に解き明かされていきます。
詳しくは小説(角川文庫)をお読みください。
内匠頭の刃傷沙汰について従来と全く違う解釈が成り立つことが
新鮮で面白く、大いに納得させられました。

ぐいぐいと私たちを古屋和子の「語り」の世界へ惹き込んで行く
古屋和子さんの力量に惚れ直しました。

偶然隣り合わせた太田さんから、いろいろな「語り」を聴く会が
あることを教えて頂き、名詞交換しました。
今度「語り」の会があったらお知らせくださるそうです。
古屋和子さんが語ることもあるとのことで、楽しみです。

             

最後に古屋和子さんの略歴を紹介します。 

 早稲田小劇場を経て、1978年水上勉主宰「越前竹人形の会」を
 契機に「語り」に取り組む。
 その後、横浜ボートシアターの女優を経て、現在「一人語り」で活躍中。
 平家・近松の古典や泉鏡花・中島敦・ユルスナール・宮澤賢治・安房直子等
 幅広いレパートリーを持つ。

                            

追伸です。10月30日(土)14時開演
「俳優高橋長英一人語りの会」が長屋門公園であります。
詳しくは長屋門公園HPをご覧ください

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