井上良斎が茶碗を製作して偲んだ
十五世市村羽左衛門は大正から戦前にかけての
歌舞伎を代表する役者さんです。
辺りを払うような美貌から「花の橘屋」と呼ばれました。
「お祭り左七」舞台写真の羽左衛門さんは、
目が大きく、すっきりと彫りの深い顔立ちで、
「たちばなや~!」
と声を掛けたいほどイナセです。
1874年(明治7年)11月5日の生まれ。
出生は複雑で、アメリカの軍人と旧福井藩主の娘(庶子)との間に
生まれた私生児という説が有力で、四歳で十四世市村羽左衛門
の養子になっています。
1900年(明治33年)10月に十五世市村羽左衛門を襲名しました。
アメリカでも絶大な人気があったみたいです。
1945年(昭和20年)8月30日、ダグラス・マッカーサーが
厚木飛行場に占領指揮のために降り立った時、同行した
副官フォービアン・パワーズは日本の新聞記者へ開口一番
「羽左衛門さんはどうしていますか?」
時すでに遅く、羽左衛門は終戦間近い1945年(昭和20年)
5月6日に疎開先で亡くなっていました(享年70歳)・・・。
そんな十五世市村羽左衛門を追憶して、井上良斎が
心をこめて製作した「渦」茶碗。
きっと橘屋の大ファンだったのでしょうね。
歌舞伎大好きの私にとっても「横浜開港150周年を祝う茶事」に
ご縁があってとっても嬉しいです。
茶碗に描かれた渦は
黒船ボーハタン号が浮かんでいる海の渦であり、
開港から現代まで激しく変化していった時代を象徴する
渦のようにも思えてくるのでした・・・。
(前へ) (次へ)
写真は1925年(大正14年)7月 東京歌舞伎座『江戸育於祭佐七』(お祭り佐七)。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
十五世市村羽左衛門は大正から戦前にかけての
歌舞伎を代表する役者さんです。
辺りを払うような美貌から「花の橘屋」と呼ばれました。
「お祭り左七」舞台写真の羽左衛門さんは、
目が大きく、すっきりと彫りの深い顔立ちで、
「たちばなや~!」
と声を掛けたいほどイナセです。
1874年(明治7年)11月5日の生まれ。
出生は複雑で、アメリカの軍人と旧福井藩主の娘(庶子)との間に
生まれた私生児という説が有力で、四歳で十四世市村羽左衛門
の養子になっています。
1900年(明治33年)10月に十五世市村羽左衛門を襲名しました。
アメリカでも絶大な人気があったみたいです。
1945年(昭和20年)8月30日、ダグラス・マッカーサーが
厚木飛行場に占領指揮のために降り立った時、同行した
副官フォービアン・パワーズは日本の新聞記者へ開口一番
「羽左衛門さんはどうしていますか?」
時すでに遅く、羽左衛門は終戦間近い1945年(昭和20年)
5月6日に疎開先で亡くなっていました(享年70歳)・・・。
そんな十五世市村羽左衛門を追憶して、井上良斎が
心をこめて製作した「渦」茶碗。
きっと橘屋の大ファンだったのでしょうね。
歌舞伎大好きの私にとっても「横浜開港150周年を祝う茶事」に
ご縁があってとっても嬉しいです。
茶碗に描かれた渦は
黒船ボーハタン号が浮かんでいる海の渦であり、
開港から現代まで激しく変化していった時代を象徴する
渦のようにも思えてくるのでした・・・。
(前へ) (次へ)
写真は1925年(大正14年)7月 東京歌舞伎座『江戸育於祭佐七』(お祭り佐七)。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
ちなみに羽左衛門は「根付き橘」が定紋ですが、「渦巻き」は替紋です。
井上良斎さんはそれを茶碗に表したのでしょうね。
私の確認している情報では、明治7年7月1日生まれ、羽左衛門襲名は明治36年30歳の時です。
生まれに関しては表向き11月5日となっていますから、無理もありませんが、7月1日はルジャンドル家の市村録太郎としての日時です。
先日行った鶴見の総持寺にあるお墓にはそう刻まれておりました。
雑司が谷にある「市村羽左衛門」のお墓には11月5日の生まれになっています。ややこしいですね。
(ちなみに私は昭和30年代生まれですから、羽左の舞台は観ていません。でも大好きです)
パワーズですが、あの人は特別で戦前日本にいたことがあり、その時歌舞伎に傾倒したらしく、舞台で輝いていたのが羽左だったため、終戦後記者へ尋ねたようです。
戦後歌舞伎の恩人ですが、本当は羽左が観たかったんでしょうね。(私も観たいです)
ご存知かもしれませんが、藤田嗣治と一緒に来朝したジャンコクトーが歌舞伎を見せられ、羽左が出てくると「あ、パリジャンだ。パリジャンが出てきたっ」と仰天した話は有名です。
羽左の情報を見ると嬉しくなってしまい、コメントせずに入られなくなってしまい書き込みました。
できればその「十五世市村羽左衛門追憶 渦茶碗」の写真を拝見したいのですが、アップすることは可能でしょうか。
是非見て見たいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
さて、茶事ですが私は習ったこともなく、勝手飲みをしているのですが、日本の美が凝縮した楽しみだと思います。
焼き物もやってみたいのですが、思うだけ。やらなければ始まりませんね。
嬉しいコメント、ありがとうございます。
十五世市村羽左衛門の替紋が「渦巻き」とは知りませんでした。
貴重な情報をありがとうございます!
「十五世市村羽左衛追憶 渦茶碗 神奈川焼 井上良斎」ですが、素晴しい物を入手されましたね。
・・そうなんです。私も舞台を見ていませんが(ちなみに昭和20代の生まれです)、
エピソードを読んだり、写真を見ているだけでその魅力に惹きつけられます。
井上良斎の「渦」茶碗、ご縁があって嬉しく、私の宝物だと思っています。
7-fukujinさまのご要望に応えて近々アップしましょう。少しお待ちください。