暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

「野月の飯後の茶事」・・・その1(コロナウイルスのこと)

2021年10月14日 | 社中の茶事(2018年~)

  (玄関にそっと置かれていたリンドウの花・・・唐津焼の花入れもステキです)

 

10月10日(日)に「野月の飯後の茶事」が我が家で行われました。

茶事の亭主はAYさん、初茶事です。

その日の朝にステキな贈り物がありました。リンドウの花です・・・・玄関先の丸太(腰掛)の上に唐津焼の花入に入れられて置かれていました。

先日の稽古で「今、リンドウが沢山咲いています」とN氏が言っていたので、N氏からの贈り物とすぐにわかりました。きっとAYさんの「野月の飯後の茶事」に間に合うようにそっと置いていったのでしょう。

亭主のAYさんは暁庵の茶道教室に入門してまだ1年8ヶ月(茶歴は10年)ですが、看護師として病院勤務で忙しい中で熱心にお稽古に励んでいらっしゃいます。

「来年の10月頃にお茶事をしてみませんか?」とお声掛けしたのは1年近く前、丁度コロナウイルスの第2波が一段落した頃でした。

「先生、お茶事をしてみたいのでお願いします」

それから1年かけて稽古を頑張り、テーマを考え、お気に入りの茶道具を探したり、少しずつ準備をされて当日を迎えたのです。

一番の心配はやはりコロナウイルスのことでした。

折しもコロナウイルスの第5波が猛威をふるっていて「野月の飯後の茶事」を開催できるかどうか・・・それで次のようなメールをAYさんに差し上げました。9月2日のことです。

 

     (撫子が満開です・・・たしか2度目です)

 暁庵のメール

AYさまへ

相変らず神奈川県でも連日多数の新規感染者が報告されています。

救命の最前線で日々、忙しくお過ごしのことと推察しております。

このような折でございますが・・・・

来たる10月10日(日)の飯後の茶事を9月15日頃までに開催するかどうか、決めなくてはなりません。ご亭主とお客さまの考え方によりますので、先ずはご亭主の判断に添いたいと思います。

コロナウイルス禍の茶事の開催はいろいろ悩みが多いのですが、AYさまの考えていることをどうぞ遠慮なくお知らせください。相談があればどうぞお知らせください。

 

AYさまからのご返事のメール

暁庵先生

急に寒くなったり、体調を崩しやすい季節になりました。

まだまだコロナの感染者がなかなか減らず、不安な日々が続きますね。先生は体調の方はいかがでしょうか? 

10月10日の飯後の茶事は決行したいと考えております。

理由としては

①感染者数がやや減ってきてピークアウトと考えてもよいのかと個人的には考えています。

②カクテル療法の導入。

療養ホテル以外でもカクテル療法が始まりました。酸素投与をしていないという条件での投与ですし、アナフィラキシーが起きやすいというリスクもありますが、光の兆しが見えてきました。当院でもカクテル療法が始まり、これから病院でもどんどん投与がはじまっていくと考えられます。もともとカクテル療法の導入状況で茶事の開催を決めようと考えていましたので開催の方向でお願いしたいと思います。

③お客様からの要望

EKさまとTKさまよりご連絡がありまして、お二人とも茶事の開催を楽しみにしているとの連絡をいただきました。

以上の理由にて開催を希望いたします。どうぞよろしくお願い致します。後略・・・

 

     (今年は庭のキンモクセイが2度咲きました)

 AYさんのしっかりしたお考えを伺って、私も「野月の飯後の茶事」開催を決意した次第です。

こうして、10月10日の開催が決まり、4人のお客さまへご案内のお手紙が届けられました。

お正客様は暁庵社中のNYさま、次客はEKさま(AYさん茶友)、三客は小梶由香さま、詰はTK氏(AYさん茶友)です。

なお、半東は暁庵社中のHM氏、水屋は暁庵、点心は小梶由香さまにお願いし、お客さまとして三客へお入り頂きました。(つづく)

 

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