暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

暁庵の茶道教室の初釜 in 2019 ・・・(1)

2019年01月18日 | 暁庵の裏千家茶道教室




  箱根湯本の旅館・玉庭(ぎょくてい)の茶席・仁庵にて


平成31年(2019年)1月9日(水)は暁庵の茶道教室の初釜でした。
諸事情で欠席された方、遠くスウェーデンにいるOさん、このブログで初釜を楽しんでくださると嬉しいです・・・。

今年は箱根湯本の旅館・玉庭(ぎょくてい)の茶席・仁庵をお借りしました。
仁庵は良く手入れされた御庭に囲まれ、本格的な露地、外腰掛そして蹲踞も整っていて、素晴らしい茶の湯空間になっています。
N氏のワゴン車に乗り合わせ、総勢6名で賑やかに(?)出かけました。     
その日は快晴で温かく、雪を抱いた霊峰富士が顔を出したり、隠れたり、絶好のドライブ日和でした。
10時頃に到着し、早速11時の席入りに合わせて、手分けして準備をしました。

 
                            (クリックしてね)

2019年初釜は茶事形式とし、初座の亭主はN氏、半東はUさん、正客はFさん、次客Kさん、三客暁庵、詰KTさんです。
待合(広間)の床には御軸とお目出度い福鈴が飾られていました。
御軸は、
「箱根越す 人もあるらし 今朝の雪」  
雪の箱根路を髣髴させる書は稲垣黄鶴筆とありました。
稲垣黄鶴は(いながき こうかく、1903〜2006)は長野県軽井沢出身、書道家で俳句や画も書いています。こちらは玉庭に逗留した時に書いたものかもしれませんね。


 こちらも箱根らしい莨盆・・・箱根神社の節分の升

半東Uさんが汲み出しを運び、外腰掛へご案内をしました。
汲み出しは京焼の青海波、金箔入りの梅こぶ茶(金沢箔一製)が目を惹き、今年は金運に恵まれるかしら?
大体の準備が済んだので、暁庵も外腰掛へ三客として合流し、亭主N氏の迎え付けを待ちました。
外腰掛に腰かけていると、何とも言えない箱根の山の冷気が清々しく、ほっこりと温かな日差しが4人を包み、鳥のさえずりが聴こえてきました・・・。




N氏が水桶で蹲踞の水を改めている音が聞こえ、まもなく迎え付けです。
正客Fさんに続いて全員がご亭主と無言の挨拶を交わしました。
露が打たれた露地を進み、躙り口から茶室へ席入りしました。
茶室は四畳半台目、床の御軸は扇面に寿とあり、井口海仙宗匠の御筆です。

台目席の点前座へにじって入り、炉中を拝見して「あっ!」・・・釜が掛かっていません。
濡れ釜を席入り直前に掛けるのを言い忘れていました。
・・・あわてて水屋へ入り、濡れ釜を掛け、もう一度見てもらいました。
でも、玉庭さんの灰の手入れや炉中の景色がそれは素晴らしかったので、皆で拝見出来たのは幸いなことでした。
ここで一人ずつご挨拶となりました。
「明けましておめでとうございます。
今年も初釜を社中の皆様と箱根・玉庭で祝うことができまして、大変嬉しく思っています。
昨年は膝や腰に故障があったり、社中にいろいろあったりしましたが、今年は体調に気を付けて、皆様、元気で!お茶を楽しみましょう」・・・とご挨拶したような・・・。


   4代仙叟好みの矢筈釜、大国藤兵衛造

「お炭を置かせて頂きます」 N氏の台目の初炭が始まりました。
釜は矢筈釜(4代仙叟好、仙叟が初代宮崎寒薙に造らせた)、作者は大国藤兵衛です。
茶事で矢筈釜に出合ったのは2回目ですが、切り立った崖のような口廻りの矢筈の形状、ゴツゴツと荒々しい地肌、水を出すために作られた穴(客付に向けるそうです)など、見所満載で作り手の気迫を感じる釜でした。
N氏お持ち出しの青藍の羽箒が目を惹き、振振(ぶりぶり)の優雅な香合(塗り物)もステキでした。
香は「唐衣」(松栄堂)です。 (つづく)


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   (つづきは、「三溪園・春のクロスロード茶会」のご案内のあとになります 

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