暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

東京教室の稽古・・・「稽古も一会」 皐月 in 2016

2016年06月03日 | 稽古備忘録・・・東京教室の稽古
                          
                                 大賀ハス

5月30日(月)はS先生の東京教室の稽古でした。
あいにく朝から雨、出かけるときは凄かったのですが、東京へ着くと雨が上がっていました。

いつものようにコンビニでおにぎり2個とお茶を買って、教室へ。
教室のある一画は、水滴る緑樹に覆われ都心とは思えぬ、ほっとする佇まいです。
その清々しさに心が洗われ、自然と気合が入ってきます。

その日の科目は、盆香合、茶碗荘、台目・続き薄茶、行之行台子、東貴人且座、貴人清次花月で、
台目・つづき薄茶の次客と東貴人且座へ入らせて頂きました。

稽古とはいえ、皆さま、いろいろ考えてくださるので、問答が素敵でした。
盆香合は、香合の由緒を伺うのが楽しみですが、Aさんが用意されたのは
かつての師のご主人が手作りされた蓮の果托の香合(漆塗り)でした。
しかも、その蓮は大賀(おおが)ハス、1951年(昭和26年)に落合遺跡(現・千葉市花見川区朝日ケ丘町)で発掘された、
2000年以上前の古代のハスの実から、発掘者の大賀博士が発芽・開花させた蓮だとか。
Aさんの貴重な思い出とともに、2000年以上前の大賀ハスのルーツや困難を極めたという発掘作業に思いを馳せました。
                          
茶碗荘はYさん。
朝鮮唐津の水指、その前に置かれた高麗の井戸茶碗、
茶碗の中に茶入、紺系の仕覆は珠光緞子でしょうか? 組み合わせの妙に心が騒ぎます。
茶碗荘の問答が、これまた素敵でした・・・。

                         

その日、一番期待していたのは、Oさんの台目・つづき薄茶でした。
6月5日に稽古茶事があり、茶席が台目なのです。
・・・それで、いろいろ確認しておきたいことがありました。
教室は十畳台目なので、端っこにある台目席(二畳台目としました)に次客で入りました。
見学の方が背後で目に入らないせいか、Oさん亭主、Aさん正客で小間の茶事の雰囲気を楽しみました。
S先生から台目据えや足の運びなど、細かいご指導があり、疑問もすっきりです。
つづき薄茶になり、煙草盆、干菓子が運ばれ、台目の稽古はますます佳境へ・・・。

稽古も終わり近くなり、貴人清次花月を見学しながら、翠のお庭を眺めていると紫陽花が咲き初めています。
遠く、近く聞こえるS先生のご指導の声、花月のきびきびとした白足袋の動き、きれいな点前や所作・・・・
美しい夢の中にいるような、平和でかけがいの無いひと時です。自然と句が湧き出てきました。

      緑陰や 茶筅振る音(ね)に 烏啼く

      紫陽花の 花咲き菓子は 明月院

「稽古も一会である」という言葉が思い出され、私も暁庵の教室でそのような気持ちで臨みたい・・・と思うのでした。
S先生、皆さま、ありがとうございました!  



  
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