昭和の歌人である「宮柊二」先生の全集ともいうべき、
「宮柊二集 全11巻」を手に入れることが出来た。
先生については余り知らなかったのだが、
高校時代に投稿していた短歌の部の選者が先生で、
誌上ではあるが、丁寧に指導してくださったのである。
3年の間に特選や入選・佳作などに選定して頂き、
その都度選者評があり、大いに創作の参考とすることが出来た。
大学を卒業する頃までは良く和歌や俳句を創作していたが、
その後は会社勤務のため、年に50首程度しか創作しておらず、
投稿等も高卒以後は殆ど行っていなかった。
が・・・・今年に入ってから、
俳句雑誌に名を残している友人から、句作や短歌を勧められ、
その一環として「宮柊二」から読んで見ようと・・・
しかし、本屋を探したものの(1件だけだったが)その著書は見当たらず、
ネットで探したところ、とあるオークションで11巻揃いが4000円で売られていた。
早速入札したところ、ほかに買い手が出てこず落札することが出来た。
丁寧な梱包で届いたのが巻頭の写真で、
まるで新本のようで読まれた形跡が無く、
新本のデットストックだったのかもしれない。
さらに、発行時の定価を知って驚いた。
薄い本が1冊3400円、厚い本がそれぞれ6800円と7200円と高価だったのである(下の写真参照)。
第1回配本の第一巻の発売日は、1989年11月7日の初版だった。
ちなみに本のサイズは単行本サイズで、薄い本は持ち歩きも出来る。
先生は「皇居の歌会始」の召人としても活躍され、
生まれ故郷の新潟県魚沼市には「宮柊二記念館」がある。
現在第一巻を読破中で、
文語体はともかく、古い言葉が多く難解な歌も多いので、
初見の言葉はネット検索しつつ読みすすめている。
もちろん、平易で分かりやすい歌もあるのだが、
その背景までは知ることが出来ず、作者の意図通りの解釈は出来ていない。
宮柊二集第1巻「群鶏」昭和11年「町」より
たそがるる町を忙しく言葉無き影のやうにぞ群集は過ぐ
うらぶれて佇ちゐる我にひびきつつひたひたとひもじ川波の音
全てを理解することは不可能と思われるが、
奇しくも、先生の生まれた年が大正元年で、私の母と同じだったので、
「全11巻を読破する」ことが今年の目標となった・・・・・。