ザルツブルグは、オ-ストリアにある人口約15万人の都市であるが、オ-ストリアでは比較的大きな都市になる。
ザルツブルグは、ウィ-ンから列車に乗り、3時間ほどで着く。駅からバスに乗り旧市街地に10分位で着く。ザルツブルグの美しさを絶賛する人は、多い。「極楽か天国のように美しい」と言ったシュ-ベルトを初め、作家ジェイムス・ジョイス、エドワ-ド8世、指揮者トスカニ-ニなどの人々がザルツブルグの美しさを褒め称えている。
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まちに入ると、まず気がつくのは、市街地の真ん中にあるザルツァッハ川と平行している高さ100mを越える連続する岩壁であった。旧市街地の町並みと岩壁が奇妙に調和した景観となっている。
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岩壁の上に聳えるホ-エンザルツブルグ城が威圧するように存在する。川の左岸にあたる旧市街地は、岩壁と川との間の幅はわずか数百メ-トルしかない狭い地区である。このわずかな空間に歴史的な建造物が詰め込まれている。岩壁は城の自然の要塞となっており、また、岩壁のへりにある建物は、岩壁をくり抜いて利用している。この旧市街地が世界遺産に指定されている。
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ザルツブルグのまちができたのは、およそ1300年前で、最初に岩壁の近くにセントピ-タ-寺院や修道院がつくられた。ホ-エンザルツブルグ城が建てられたのは、その後で11世紀後半になる。いずれにせよ、旧市街地は千年の歴史を持つまちである。
ザルツァッハ川の景観は素晴らしい。川の土手に高い木が植えられており、自転車道と歩道が続いている。土手の下は草で被われている。遠くに雪をいただく山が見える。川には、古い橋と新しい橋が架けられている。特に、新しい橋は、軽やかで美しいデザインとなっている。ザルツァッハ川はかっては、何度も氾濫し、大きな被害をもたらした。19世紀に高い堤防がつくられてから、川は治められたと言われる。その時、町の役人はまっすぐな運河をつくることを計画したが、一人の画家がふるさとの原風景を破壊することに反対し、ザルツァッハ川の景観が残されたと言われる。
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橋を渡ると、すぐにザルツブルグの中心商業地であるゲトライデガッセに入る。ゲトライデガッセは曲がりくねった道で両側に4、5階建の商店が並ぶ。道幅が3mと適度に狭く、雰囲気がある。ゲトライデガッセの商店の鉄細工の看板はそれぞれ個性があり面白い。ゲトライデガッセに面してモ-ツアルトの生家もある。ゲトライデガッセから広場に向かう道は建物の中をくぐり抜ける不思議な路地空間が面白い。
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ゲトライガッセと岩壁との間は、宮殿レジデンス、教会、大聖堂など大きな建物と広場で構成されている。
岩壁をくり抜いて教会、音楽ホ-ル、レストランなど様々な用途の建物がある。岩壁に建物のファサ-ドだけがあるのもあり、面白い。音楽ホ-ルは、世界のア-ティストが訪れる有名なザルツブルグ音楽祭の会場になる。
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橋を渡り、ザルツァッハ川の右岸にいくと、川のそばにミラベル庭園がある。映画サウンドオブミュ-ジックの舞台にもなった有名な庭園である。季節が春なので、パンジ-とチュ-リップを主体に植えられている。花の色の構成がとても美しい。季節になるとバラが咲くとさらに素晴らしいのではないかと想像される。庭園の中をぶらぶら歩いている時、 はっと一つのことに気がついた。ミラベル庭園の中央の道の延長にホ-エンザルツブルグ城が見えるのである。ヨ-ロッパの都市づくりの一つの手法である軸線がここにも見られたのである。高台にある城が町のシンボルとして、都市景観の重要な役割を果たしている。
おわりに
ザルツブルグは、音楽祭が開催されるまでは、あまり知られていない地方都市であった。一人の熱心な市民の運動により、1920年に初めて音楽祭が開催され、演劇、オペラ、コンサ-トなどが上演された。モ-ツアルトがザルツブルグの出身であることも幸いし、ザルツブルグ音楽祭は世界中から人がくるようになった。音楽祭というイベントを通し、世界に発信する交流都市となった。
世界中の人を集めるイベントを企画できれば、まちおこしになる一つの例となる都市である。
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