港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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世界の街から22--アメリカ ミルウォーキー美術館

2011-09-19 10:00:46 | アメリカの街から
世界の街から22 都市を象徴する建築アメリカ ミルウォーキー美術館

今回は、一つの建築の作品を紹介したい。
アメリカ在住の建築家柴山正隆氏の案内で、シカゴから車で建築家カラトラバの傑作ミルウォーキー美術館を見に行った。これほど独創的で美しい建築は今まで見たことがなく、久しぶりに建築作品で感動した。
 カラトラバはスペイン人で建築、美術を学んだ後、スイスのチューリッヒ大学で土木工学を学んだ。建築構造学に詳しく、生命体の構造・骨格にヒントを得ていると言われている。美術館は、ミシガン湖のほとり、公共施設が集まっているゾーンにある。
旧館は、フィンランド生まれで、ケネディ空港TWAターミナルビルの設計などで有名なエーロ・サーリネンの作品である。旧館と新館は長い通路で連絡している。

遠くに見えるのが旧館の美術館
 全体は鳥が飛び立つような形態で、骨組みは鳥の骨格のようである。屋根は吊られている。屋根の一部がなんと開閉するのである。屋根が開けられた状態では、ホールにふんだんに光が入り、閉館時間には羽を閉じるように屋根が閉められる。



閉館時間にだんだん閉じられる

閉じられつつある

完全に閉じた状態


道路と庭園にかけられた吊り橋から入る


ミシガン湖からの姿

ダイナミックな内部空間

内部空間

下の階に続く吹き抜け

連絡通路の空間

柔らかい光

通路の空間

光をうまく取り入れている

カフェ

駐車場

 立面も平面もほとんど優雅な曲線で構成されており、宇宙船の中にいるようで未来的である。しかし、構造力学に裏付けされた形態は、無理がなくどこを見ても合理的で美しい。
カラトラバが美しい橋をいくつも設計しているのが頷ける。間接的に取り入れられた光も演出も柔らかく優美である。単調で暗くなりがちな駐車場も造形的な柱の構成で、見応えのある空間になっている。
 また、ミシガン湖側から見る美術館の姿も素晴らしい。シドニーのオペラハウスとともに、一つの建築が都市を象徴する好例である。
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