今日は、この街にいます。

昨日の街は、懐かしい記憶になった。そして・・

1174 ハワイ②【米国】

2024-07-12 08:23:08 | 海外
ホノルルに滞在した1週間、連日よく晴れた。暗いうちに降った雨が街を濡らして、毎朝「今日こそ曇るかな」と期待?させられるのだが、雲はたちまち海から山側へ追いやられて青空が広がり始め、午前7時ころにはパラパラと落ちていた雨もすっかり上がって虹が架かるのだ。午前9時にもなれば陽射しは痛いほど強くなって、慌てて部屋のエアコンを点ける。私たちはハワイの乾季(夏)の旅行者なのだ。熱帯の気象変化は単純で新鮮である。



私の「熱帯」体験は、インドシナ半島やボルネオ島、それにミクロネシア連邦のポンペイ島とトラック諸島くらいしかないものだから、ハワイの気象変化が珍しくてたまらない。日中は確かに暑いのだが、なぜか汗はさほど流れない。「これまでの熱帯」で、最も空気が乾いているように思う。夕方4時を回るころになると風が渡って来て、熱気を連れ去ってくれる。ショッピング街は人が溢れ出し、遅くまで賑わう。ホテルはエアコンなしで眠った。



太平洋は何度も行き来しているのに、「ハワイにはいつでも行ける」と決め込んだままで、こんな高齢になってから初めて来ることになった。日本人としては少数派の「ハワイ知らず」だったのだろう。妻が、米国西海岸で暮らす妹とハワイで落ち合う旅はどうかしらと誘ってくれたので、ようやくその機会が訪れたのだ。妹の息子がお付き合いしている娘さんがホノルル育ちで、実家のお母さんが島を案内してくださるという。願ってもない旅である。



お母上は大阪生まれで、大学を卒業してからハワイで結婚された日本人なので、英語が不都合な私には大いに有難い。オアフ島南西部の景勝地や植物園を案内していただく。島内には多くの噴火口跡があって、島の最西南端に近いココ・クレーターは荒々しい地形をそのままに植物園に利用されている。ひときわ美しい花を咲かせているのはプルメリアの森だ。レイや女性の髪飾りに好まれる、白・黄・ピンク・赤と、実に多彩な花の木である。



島は花のシーズンなのだった。街路ではシャワーツリーの花びらがシャワーのように降り注いできそうだし、華やかなハイビスカスやブーゲンビリアにジャカランダの紫も加わって、色彩の饗宴である。そしてプルメリアが、香水にも用いられる控えめな甘い香りを漂わせる。日本人ならすぐに「あの木なんの木‥」のCMソングが思い浮かぶモンキーポッドも広々と枝を広げ、濃い緑の枝からネムの花によく似た可憐なピンク色を覗かせている。



オアフ島南西部の脊梁を大きく回り込んで案内されたヌウアヌパリ展望台では、言葉を失った。100メートル近い高さの断崖から望む絶景は実に爽快なのだけれど、あまりの強風で口が開けない。瞼まで噴き上げられてちぎれそうだ。島の脊梁山脈がここで大きく崩落し、貿易風の通り道になっているからだという。隣の娘さんの「怒髪天を衝く」姿が風の道筋だ。1795年、カメハメハ1世が戦いに勝利し、ハワイ王国を確立した史跡でもある。



夜は自宅に招待され、ハワイ料理をいただく。一口大に切った生のマグロやタコを、香味野菜やアボカドを醤油ベースでドレッシングした「ポケ」は、クセに弱い私でもとても美味しく食べられた。また豚肉をタロイモの葉で包んで蒸し焼きにする「ラウラウ」は、じっくり味が染み込んで美味い。微かに漂う香りはタロイモか。灰色かかったペーストが2種類添えられている。さまざまな食材を練り込んだディープなハワイの味らしい。(2024.6.27)











































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