職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★調査書作成委員会確認事項~ミスが子どもの進路を断つ~

2013-11-14 14:32:45 | 僕のモンマルトル日記

 

茫漠特急
「3学年への指導」をとおして、同時進行で、2学年・1学年を育てる
2013
11.14

image1

★急に寒くなった。
 寒がりの大阪野郎のクセに、選りに選って、どうしてこんな寒いところにやってきたのだろう?

 高校生の頃、堀辰雄の書簡集に「この頃はインクが凍って、こんな鉛筆をつかわなければならない」(2月――信濃追分油屋隣より)というのがあった。
 その静謐でストイックな感じに、すごくあこがれたことを覚えている。

 北国への衝動の中核だった(*^_^*)。

職員通信 2013/11/14号
★相互チェックの積み重ねが「力のある学校」に直結する
image11

 
調査書作成委員会確認事項
    
~ ミスが子どもの進路を断つ ~

★本日の「職員室通信」のテーマは「調査書作成委員会」の話だ。
 「調査書作成委員会」といっても、「調査書作成」に限定するものではない。
 来る入学試験に対応する「学校運営」全般が対象になる。
 ミスをすると子どもの進路が断たれる場合がある。
 同時に学校危機に至る。
 だから、ミスは絶対にしたくない。
 通信の題は「調査書作成委員会確認事項」となっているが、正確には、思いっきり「指示事項」だ。
 通信のすべての単語が、僕たちの具体的な一歩に対応している。
 だから、あまり品のいい「職員室通信」とはいえない。
 僕が普段、いつも口にする「プロ野球の監督、町工場の社長、相撲部屋の親方」の行為行動に似ている部分だ。

1.危機管理(綿密なミス予防計画とトラブルの際のベストの対応)

 入試事務については僕自身が比喩ではなく「懲戒処分」レベルのミスをしてきたし、間接的にもに学校危機直前の厳しい状況に遭遇してきた。
 危機管理の原則をふまえ、入試事務を相互にチェックしつつ、不断の努力を積み重ねたい。
 これが「力のある学校」に直結する。
 (逆にいえば、これができないのが「力のない学校」だ。)

★確認事項の前に、これまで僕の直接&間接ミスを列挙する。
 ア) 願書の科名が間違っていたため、志望科が受検できなくなった。
 締め切り後の変更はもちろんできない。
 科名の間違いは(チェックでミスは防げているものの)本校でも、ときどきある。

 イ) 願書を出し忘れていたため、受検できなくなった。
 また、出したのだが、先方に届いていなかったため、受検できなくなった。

 ウ) 受検当日、体調が不良のため、途中から受検を取りやめた。
 だが、中学校側はドクターストップ、高校側は棄権(放棄)と別々の判断をしていた。
 そのため、結果的に不合格となった。

 エ) 受検に関する生徒の個人情報が流出した。

 オ) 以前の推薦制度。
 2次調査結果報告の際、記入ミス(記入欄1段ズレ)で空欄となっていた。
 そのため、推薦受検ができなくなった。
 また、3者面談で志望科が変更になったのに、2次調査は変更前の科で提出した。 
 そのため、希望する科で推薦受検ができなくなった。

★対策 確認事項
 (1) 書類のチェック経由ルートを厳守する。
 書類には例外なく担当者チェックリスト(担当者印と担当者チェック日時の欄)を添付する。
 チェックにチェックを積みかさねて入試事務を遂行する。

 (2) 提出予定日・締め切り日等、仕事の進行リストと、それに対応する個々の生徒のリストを作成し、学年主任がチェックする。

 (3) 願書発送前に複数の教師による確認と同時に生徒にも確認させる。
 さらに受験票到着時に学級担任教師・生徒本人に確認する。
 (したがってギリギリの願書発送は不可。)

 (4) 志望科等の台帳は「新版」1つにする。
 時々、学年主任・進路指導主事が「旧版」、担任が「新版」を持っていて、志望先等のデータが異なる場合がある。
 これがミスのモト。
 科の変更等があった場合、即(その日のうちに)、学年主任、進路指導主事に連絡し、データを更新する。

 (5) 受検引率者の「仕事内容」を明確にする。
 即ち、引率者が判断し行うことと、学校(校長)が判断し行うことを区別にする。
 迷ったら教頭に確認。
 はっきりいえば、迷ったら判断は学校に委ねる。

 (6) (上記「(4)」とも関連するが)資料は必要分だけを印刷し、改訂版を出す場合は、必ず旧版を回収&処分する。
 部分的な修正は差し替える。
 またデジタルデータの管理については、本校の「規則」を厳守する。
 同時にPCの管理を厳重にし、個人のPCハードディスク内には個々の生徒のデータは残さない。

 (7) 文書発送票を必ずつけ、発送記録を学校に残す。

 (8) 受検事務であいまいな点は必ず県教委(教育事務所担当者)に問い合わせる。

2.評定・評価・所見・判定の妥当性(信頼性)

 (1) 評定・評価・所見・校内推薦判定結果等については、子どもにも保護者にも明確に説明できようにデーターをそろえておく。
 たとえば○○さんが評定3、○○さんが評定4、この根拠を2人に説明できるように。
 したがって、説明できない評価軸ははじめから設定しない。

 (2) 学級担任等が、評定等で、その生徒の他教科の評定や、日常の努力とのアンバランスを発見した場合は、教科担任に確認する。

 (3) 作成書類はすべて「公開」を前提に作成する。
 本人・保護者が疑問を持つような内容は記入しない。
 くわえて、高等学校側の「点数化→加点方式」を前提に記述する。

 (4) 生徒の活動状況の把握については、実際の担当者(委員会・部活動・清掃活動等)に確認する。

 (5) 文章表現の仕方や、評価レベルを学年で統一する。
 文は短く。
 高校側の価値の軽重(重みづけ)の視点に留意。

3.最後の最後まで進路開拓の支援をしつづける

 (1) 全体あるいは個に対し、進路に関するデーターを提供しつづける。
 生徒も保護者も一回きりの体験である。
 受検の諸システムがはっきりと目に見えるように工夫。

 (2) 合格の可能性の「ある・なし」は、本人と保護者に判断させる(そのためのデータを提示する)。
 教師のほうから「落ちる」とか「無理だ」とかは(あるいはその反対も)絶対に言わない。
 また、「この成績で今までほとんど合格している(その反対も)」とか、「たぶん大丈夫だと思う(その反対も)」とか、「○○高校の内申点の基準は●●点だが、□□さんは●●点をクリアーできるはすだ(その反対も)」とか……教師の安易な発言も厳禁。
 まちがいなく学校危機に至る。

 (3) 子どもの状態にもよるが進路変更はぎりぎりまで受け付ける。( 対策 (3)とのかねあいもあるので注意。)

 (4) 授業の充実。
 プリント学習で力がつくのならプロ教師はいらない。

 (5) 学習会の工夫。
 「学力がつく」+「やる気がでる」学習会を。

 (6) 身だしなみ・言葉遣いの指導、および文字の指導を徹底する。
 受検は、人間としての「発達課題」をクリアーさせるよい機会だ。
 (教職員には負担をかけるが、「練習」のスタートは早めに、かつ隙間の時間を活用し、回数を多く設定し)面接と作文に強い生徒を育てる。

 (7) 私立高校の合格発表後、崩壊した学年を見たことがある。
 綿密な心の指導計画を。

 (8) 私立高×→公立高×→(2回目)公立高×→(2回目)私立高×というケースがある。
 具体的支援策をつめておく。

4.その他

 (1) 第2志望の選択は慎重にさせる。
 「入学することになったら、ほんとうにやっていける?」かどうかを『進路のしおり』などで高校の学習内容を調べさせて考えさせる。
 また、合格後の辞退については、生徒だけでなく、保護者にも事前指導を徹底する。

 (2) 「私は○○高校に行きます」「○○高校に合格するぞ」などという、いわゆる決意表明のようなことを人前で発表させたり書かせたりはしない。
 「あす、○○さんは○○校の面接です。がんばれ~」もやってはいけない。
 合わせて、当然だが、合否結果は絶対に漏らさない。

 (3) いわゆる各種特待生の諸手続きは必ず本校の調査書作成委員会を通す。
 顧問同士の話し合いは厳禁。
 また特待に、安易に飛びつく生徒(あるいは保護者)がいる。
 多面的、具体的に慎重に助言を積み重ねる。

 (4)名刺を用意する。
 持っていないと、いざというときに困るし、相手側(高校&会社)が困る。

 (5) 「3学年への指導」をとおして、同時進行で、2学年・1学年を育てる。
 これができる学校が、「力のある学校」だ。

image12

image13



★読んでいただき、感謝します。ついでといってはなんですが、下のバナーのクリック、ガンガン、よろしく頼みます☆(●≧з≦●)。


にほんブログ村 教育ブログ 中学校教育へ
にほんブログ村

  さらにリアルな情報は僕の公式ホームページへ


  僕のWEB無人駅線ページへ




最新の画像もっと見る

コメントを投稿