職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

劣悪な問い。学生アルバイトが作ったのか 

2004-09-15 16:11:32 | Weblog

05.09.15 劣悪な問い。学生アルバイトが作ったのか

◆朝自習の教室をまわっていて、生徒が取り組んでいるプリントの中に、伊東静雄の詩「夏の終わり」を見つけた。

 夜来の台風にひとりはぐれた白い雲が
 気のとおくなるほど澄みに澄んだ
 かぐわしい大気の空をながれてゆく
 太陽の燃えかがやく野の景観に
 それがおおきく落とす静かなかげは
 ……さよなら……さようなら……
 ……さよなら……さようなら……
 いちいちそううなずく眼差しのように
 一筋ひかる街道をよこぎり
 あざやかな暗緑の水田の面を移り
 ちいさく動く行人をおい越して
 しずかにしずかに村落の屋根屋根や
 樹上にかげり
 ……さよなら……さようなら……
 ……さよなら……さようなら……
 ずっとこの会釈をつづけなから
 やがて優しくわが視野から遠ざかる

◆わたしの卒業論文のテーマは「大東亜戦争下の日本浪漫派詩人たちの精神が、戦後の日本文学にどう継承されたか?」だった。
 浪漫派の中核に伊東静雄を据えた。
 静雄の戦前の詩集『春のいそぎ』と戦後の詩集『反響』の関係の中に、「継承」のDNAがあるというのが論文のツボだった。
 諸説をつぎはぎしたので、論の細かな展開は忘れた。
 しかし、詩集『反響』から「夏の終わり」をいったんリストアップしながら、なにかががっくりと折れたような詩人があまりに痛ましく、さしかえたことを覚えている。
 生徒たちの視線の前で頭がクラクラした。

◆だが、プリントの「問い」をみて、現実にひきもどされた。
 ①「それ」とは何をさしますか?
 ②「追い越して」いくものは何ですか?
 ③(表現技法を選択させる問題=省略)
 ④「夏の終わり」を感じさせる連続する2行はどれか?
 ⑤この詩の主題を15字以内で答えなさい。
 ⑥(詩の形式を選択させる問題=省略)
 オイオイ?と思った。
 劣悪である。
 学生アルバイトが作ったのだろうか?
 「わたし」の視点が、①地上から→②天上から→③地上からと変化していることに着目しなければ、いい問題は作れない。
 ②「天上からの視点」はいったいだれのものか? その視点の持ち主が③「わが視野から遠ざか」っていくのだ。


にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 八戸情報へ
にほんブログ村

★わたしの公式ホームページにも、ぜひ、来てください。公式ホームページには、トータルの、全身の、わたしが存在します。待ってまっせぇ~ィ !!!!!!!!!! 
  ☆公式ホームページへ


★わたしのWEB無人駅線のページにも、ぜひ、来てください。あっというまに、魂が無人駅線の世界に、全身、移動できます。待ってまっせぇ~ィ !!!!!!!!!! 
  ☆WEB無人駅線ページへ





最新の画像もっと見る

コメントを投稿