◆朝自習の教室をまわっていて、生徒が取り組んでいるプリントの中に、伊東静雄の詩「夏の終わり」を見つけた。 夜来の台風にひとりはぐれた白い雲が 気のとおくなるほど澄みに澄んだ かぐわしい大気の空をながれてゆく 太陽の燃えかがやく野の景観に それがおおきく落とす静かなかげは ……さよなら……さようなら…… ……さよなら……さようなら…… いちいちそううなずく眼差しのように 一筋ひかる街道をよこぎり あざやかな暗緑の水田の面を移り ちいさく動く行人をおい越して しずかにしずかに村落の屋根屋根や 樹上にかげり ……さよなら……さようなら…… ……さよなら……さようなら…… ずっとこの会釈をつづけなから やがて優しくわが視野から遠ざかる ◆わたしの卒業論文のテーマは「大東亜戦争下の日本浪漫派詩人たちの精神が、戦後の日本文学にどう継承されたか?」だった。 浪漫派の中核に伊東静雄を据えた。 静雄の戦前の詩集『春のいそぎ』と戦後の詩集『反響』の関係の中に、「継承」のDNAがあるというのが論文のツボだった。 諸説をつぎはぎしたので、論の細かな展開は忘れた。 しかし、詩集『反響』から「夏の終わり」をいったんリストアップしながら、なにかががっくりと折れたような詩人があまりに痛ましく、さしかえたことを覚えている。 生徒たちの視線の前で頭がクラクラした。 ◆だが、プリントの「問い」をみて、現実にひきもどされた。 ①「それ」とは何をさしますか? ②「追い越して」いくものは何ですか? ③(表現技法を選択させる問題=省略) ④「夏の終わり」を感じさせる連続する2行はどれか? ⑤この詩の主題を15字以内で答えなさい。 ⑥(詩の形式を選択させる問題=省略) オイオイ?と思った。 劣悪である。 学生アルバイトが作ったのだろうか? 「わたし」の視点が、①地上から→②天上から→③地上からと変化していることに着目しなければ、いい問題は作れない。 ②「天上からの視点」はいったいだれのものか? その視点の持ち主が③「わが視野から遠ざか」っていくのだ。 ![]() にほんブログ村 ★わたしの公式ホームページにも、ぜひ、来てください。公式ホームページには、トータルの、全身の、わたしが存在します。待ってまっせぇ~ィ !!!!!!!!!! ☆公式ホームページへ ★わたしのWEB無人駅線のページにも、ぜひ、来てください。あっというまに、魂が無人駅線の世界に、全身、移動できます。待ってまっせぇ~ィ !!!!!!!!!! ☆WEB無人駅線ページへ |
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