根源的不完全デバイス

またもや日々のとりとめもない考え事をば。

いわゆる五感というような、人の感覚について、ふと共有できているようで
実は出来ていない事に思い至る。例えば、これは青ですと言っても、
見えているそれが別の人にとっても全く同じ色なのかは知る術がない。
味についてだって、辛さなどは人によって感じる度合いが大きく違う。
匂いにしても、普段の生活のうちで長期間嗅いでいるもので慣れる事も
あり、何が臭いのかはなかなか分からない。

それらについて、ある程度数値化する方法があるようではあるが、目安
にしかならず、感覚の共有や共感には程遠い。
さらにその上に個々人の好みや嗜好が上乗せされると来れば、他人という
ものがいかに遠い存在であるかが感じて取れる。
もしくは、相当の寛容と信じる心が社会を支えている事が見えてくる。

そんな状態は、夢か酔いかと聞かれれば、酔いという方がしっくり来る。
ハッキリしているようでぼんやりしている。解っているようで、実は全く
得体も知れない。でも、仲間は近くに居て、支えてくれる。それもまた
結局は確かではないものなのだけど、『ある』と信じるつもりになる
だけで、十分程度にはハッピーだろう。

ぼんやりしている。確かではない。解らない。なんと素晴らしい。