ゑの巣

ここでは管理人個人の日々の妄言、妄想、創作などを世に晒しています。ごゆるりと。

楽しみの手綱

2017年03月07日 23時47分23秒 | Weblog
前にも書いたことかも知れないが、ものづくり系の仕事において、
『楽しめること』は非常に大事で、本人の性質的なところはもちろん、
制作環境においても、それの確保が重要な問題であると考える。

大体の環境において、ものづくりを統括する人間は、作業人員個々の
もつ創造性であったり、得意分野であったり、しばしば変態性であったり、
そういった個性のぶつかり合い、混ざり合いの中にこそ求めるものが
あると考えている傾向がある。

『オレ、こんなことやっちゃったもんね!』『何の、こっちはこうだ!』
というような、傍からみれば小学生のようなやりとりであっても、当の
本人が大真面目に、己の本分を余すところなく発揮しているものであれば、
ものづくりの現場においては非常に望ましいものと言えるだろう。

そしてそのためには、楽しめているかどうかが大きく影響してくる。
機械的に作業を粛々と流すような環境では、どう頑張っても予測通りの
ものしかできない。いや、それも制作という世界においては十二分に
素晴らしいものなのであるが、世に名を知られるような監督者は、
概してそれを越えて『予想外』『想像以上』を求めてくる。

当然ながら、同時にそれを客に提供することを目的にしている訳であるが、
制作の現場が大規模になると予定立てて、計画的に進行せねばならない
場面も増え、いきおい機械的に作業することも多くなり、感覚は摩滅し、
センスも枯れ、楽しむ余裕もなくなってくる。
思うにこれは結構なジレンマで、うまく乗り切るには監督者か、指揮者に
相当の手腕が求められる。

失敗すれば簡単に空中分解することになるが、最近色々アニメや何やらで
大がかりなプロジェクトが結構な頻度で頓挫するのも、そこの難しさが
一因としてあるのではなかろうかと考える。

あくまでも主観的な感覚ではあるが、当の本人にも制御できない時がある
やっかいな代物でもある。人間が為すものである以上、こういうものだという
前提で臨むのがまず第一歩かと思われる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする