ゑの巣

ここでは管理人個人の日々の妄言、妄想、創作などを世に晒しています。ごゆるりと。

金心

2014年10月19日 23時22分30秒 | Weblog
好きな事を仕事にするな、というのは先達の格言である。
それがなぜかというと、仕事=給料を貰うという行為によって己の
“好きな事”に金銭的、あるいは社会的な格付けがなされ、多くの場合
耐えがたい感覚をもたらすからと思われる。

自分の好きな物事に、赤の他人から金銭的な、血の通っていない評価を
下されたら、いい気はしないだろう。
ただ、仕事を最大限やることで(自己満足的ではあるが)その感覚を
軽減させることが出来、また、報酬が適正であれば仕事に対しての誇りも
生まれるので、慣れにより飼いならせる感覚ではある。

しかしそこに“余計な金や時間をかけるべからず”という悪魔の言葉が
加わると状況は一変する。好きであるとか以前に価値が崩壊し、全ての
それらのものごとが数字に変化する。今まで血の通った、温度あるものが、
砂や石に変じたような心地である。
当然そうなると仕事に対しての熱も失せ、評価(報酬)も低下するという
負のスパイラルに陥り、止められなければ辞める以外に選択肢がなくなる。

お金は色々なものごとに替え得る存在で、価値的には相互関係にあり、
等価といえるものであるが、お金ありきの場合、往々にして不幸を招く。
何だかんだ言っても、人は心の生き物。ちょっとばかり新しいだけの獣だ。
周囲の変化に適応するにも百年単位。進化など、もっとずっと先だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする