ゲームの外

お馴染みのトランプのゲーム『ババ抜き』であるが、英語では『Old maid』
というらしい。有り体に訳すと『行き遅れ』『売れ残り』という、何とも
アレな話であるが、ゲームの進行とマッチしていて実に良く出来た
ネーミングだと感心を禁じ得ない。

カードのつがいがどんどん抜けて（結婚して）いく中、ジョーカーを
どうぞどうぞとばかりに押し付けようとする様は、平均年齢が30半ばを
超えた面子の合コンを彷彿とさせる。出たことないけど。
周囲が一抜け二抜けしていき、最後にジョーカーを手にした人はつまり、
それと人生を共にするという結末である。何ともGAMEOVERだ。

この辺の話をリアルババ抜きと題して、うだつの上がらない30半ばの
男数人が毎回参加する合コンに、やはり毎回参加している見るからに
アレな妙齢の女性…。会を重ねる毎に、男は一人また一人と彼女を見つけて
抜けていく中、いつまでたっても居なくならないその女性と、いつまで
たっても抜けられない主人公…。　　そして最後には…。
という筋書きが（藤子A先生の絵で）浮かんでくる。

現状と嫌になるほどの一致が見られるものの、そもそもぼくにはカードが
配られてすらいないのだ。ゆえにジョーカーを引く事もない。
そのような、33歳になったばかりの夜のひととき。