自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

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「抗がん剤は効かない」  近藤 誠・著

2012-12-31 16:39:29 | 推薦図書
12/7に読みかけ段階でご紹介した本です。
なが~い時間をかけて、やっと読み終わりました。

以下、私自身が覚えておきたい箇所のメモです。
P.128
 (患者が)抗がん剤を心の中から捨てきれないのは、癌への恐怖ゆえかもしれない。
 癌が恐い、何か杖が欲しい、拠り所が欲しい、となるのでしょう。

  しかし実のところ、癌の何が恐いのでしょうか。死ぬことなのか。
 でも人は、一度は死なねばならず、死の回避は不可能です。
 がん患者に向かって、死を恐れるなと言う勇気はないけれども、
 事実を言えば、恐怖を打ち消すため抗がん剤を使うのは、
 毒性で命が縮むかもしれず、逆効果です。
P.129
  それに癌は、死ぬ原因としては悪くない。心筋梗塞や脳卒中のように、
 発作でぽっくり死ねる可能性はないが、逆にそれらとは違い、
 生き残った場合に半身不随になり、行動が制限されることはない。
 
 癌であれば、死ぬ少し前まで普段通りの日常生活を過ごせることが多いし、
 意識は死の直前まで清明です。

 また認知症のように、周囲に迷惑をかけることもない。どんなに優しく
 献身的な家族でも、介護生活が長く続くと、何もかもほっぽらかして
 家を飛び出したくなることがあるようです。これに対して癌の終末期では
 家族が大変になる時期はないか短い。亡くなるまで、家族に優しく大事に
 してもらえることでしょう。

P.130
 ……緩和ケア医やナースの間にも、痛みへの対処法に関する誤った考えが
 広がっていて、それが逆に患者を苦しめている。患者が「痛い」と言ったとき、
 直ちに鎮痛薬を出したり、増量したりするのではなく、患者の訴えに耳を傾け、
 痛みの原因を探れ。患者の生活上の自立を助け、癌や症状への対処に際し、
 自己決定を尊重すれば、それだけで解消される痛みも多い、と。

P.131
 ところで日本の医者たちがよく冒す間違いの一つは、ロキソニン等の鎮痛剤を
 処方するのと同時に、胃薬を処方することです。鎮痛剤は胃を荒らして
 胃潰瘍の原因になるから、その予防にと言う訳です。が、胃薬というのが
 強力な抗潰瘍薬なので、副作用が多々ある。 (中略)
P.132
 そもそも鎮痛剤と胃薬を最初からセットで処方するというのは、欧米には
 見られぬ処方態度です。日本は医療もガラパゴス化していて
 こういう危険な処方習慣がまかり通っている。

  (中略)欧米では、五種類以上の薬が処方されたら、それは医療の埒外の
 行為であると考えられています。これに対して日本では、慶応大学病院でも
 七種、十種と処方されることがザラにある。それは最早医療とは呼べない。
 
 日本の多くの緩和ケア医も、これまでの医療社会(の無知・怠慢)と
 製薬業界(の働きかけ)によって作られた陥穽に落ちている。

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