p.232に 「看取り士」という名前が登場。
はて? そんな国家資格があったっけ?と思い、ググってみると、
一般社団法人日本看取り士会の柴田久美子会長が看取り士と名乗り始めた
のが最初です。
老人福祉施設や訪問介護の仕事を経て、医療の介入しない理想の人間としての
最期の姿を求め、平成14年に看取りの家である「なごみの家」を設立しています。
看取り士になるには、性別、年齢を問わず、介護職人初任者(ホームヘルパー2級)
以上の資格や看護師免許をあらかじめ取得しているのが条件です。
日本看取り士会による看取り学初級、中級、1日胎内内観などの講座を受講し、
2週間の合宿講習に参加すれば看取り士認定証が取得できます。
認定証を手にすれば看取り士と名乗ることが可能になり、看取り士会を通しての
依頼でエンゼルチームと共に現地派遣に対応できるようになります。
死を目前にした方が「自分の一生はよい人生だった」と肯定しながら
安らかに旅立てるよう魂の近くに寄り添うのが看取り士の仕事です。
ターミナルケアのチームの一員としての今後の活躍も期待されています。
つまり、
「思い残すことなく看取りをしておくと、ひどい喪失感に陥ることはなくなる
のだそうです。(p.233) うぅ~~む。そういうことがビジネスになる時代なのですね。
「在宅看取り」の良さが言われ始めて、それに挑戦する人たちが増えていますが、
そもそも、「介護される人への愛」とか、心の通じ合いがなければ、
家で高齢者や障がい者を介護するのは難しいことと思います。
十分に「愛」があったって、介護者が疲労困憊していたら、成り立ちません。
乳幼児期から親からのスキンシップが不足して、自己肯定感の無い人たちには
こういったビジネスのプロから教わることが重要なのかもしれません。
個人的には、一番望ましいのは、
p.244 末梢の行動をおろそかにする人の心は、
心を容れるしっかりとした土台や枠がないため、
ふわふわと浮いて漂っているようなものである。
足の裏を心をこめて揉む、顔や手をこする、
そういうことをずっと続けることが大事だ。
という、著者からのメッセージだと思います。