自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

人はどう死ぬのか  その2  死に対する反応

2023-09-11 06:02:57 | 介護


p.15 一般の人は平常心で死を見る機会が少ないので
   死を大袈裟に捉え、死者に過剰に反応しがち

   死が人生の重大事であることは間違いありませんが、
   心にゆとりを持ってみれば、特別な不幸でも不運でもない
   ことがわかります。

   だれにでも起こることで、恐ろしいことでも、
   いやなことでもない。ごく当たり前のことだと感じられる。

その感覚を理解するために、死に直面していない今、
死の実際をイメージすることが大事
だそうです。

家族や身近な人たちが「死を受容」している場合は
無駄な儀式(心停止の後、強心剤注射とか心臓マッサージなど)を
しないで済むので、
p.21 これがなぜ儀式かというと、蘇生する可能性など端から
   ゼロであることをわかって行うからです。つまりは
   パフォーマンス、無駄な行為ということです。

こんな残酷な処置をしないで済めば
   (中略)看取る方も楽なら、看取られる方も余計な処置をされずに
   すみます。
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人はどう死ぬのか   久坂部 羊・著   2022/3

2023-09-10 08:15:33 | 介護


メッチャ面白い本に出合いました。
私は読書メモとして抜き書きしたい箇所に付箋を貼るのですが、
217ページの薄い新書版が付箋だらけになりました。

著者は1955年生まれ。小説家・医師。
麻酔医・一般外科医を経て在外公館で医務官として勤務。
サウジアラビア、ウイーン、ハンガリーなどの終末期医療の
話がとても興味深いです。

p.4 上手に死ねなかった人を看取りながら、もしもこの人が
   もう一回死ぬことができたら、次は失敗しないだろうになと、
   よく思ったものです。しないほうがいいことを、
   いろいろして死んだ経験を活かせるからです。

   練習ができないのなら、せめてほかの人の例を参考に
   すべきでしょう。その数はもちろん多いほうがいい。

2002年に実家の父を見送ったときの主役は母だったので
私は介護も生活援助も、ただのお手伝いでした。

2016年に母を見送ったときは、父の時の反省をもとに
母は「老人マンションで快適な最期を!」と意気込んで
すごく勉強しました。でも、目論見通りにはならず。

そして今2023年に夫の癌が進行して最期を考える時が到来。
父母の時よりは格段に情報に恵まれ、介護保険や地域の支援も
使い易くなっています。それでも病人を癒す方法は・・・・・
昔に比べれば格段に進歩しているのかもしれませんが、
「やはり病気は辛いモノ」というのが実感です。
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人生100年、自分の足で歩く   6  知られざる車椅子の実態

2022-12-06 06:37:43 | 介護


p.164 英語のSitは「坐る」で、Seatは「坐らせる」。
   Seating engineerとは、
   自分でうまく坐れない人に、気持ちよく坐ってもらえる
   ようなハードウェア、つまり椅子を提供するのが仕事。

p.165 ほとんどの病院や施設で使われているのは、
   キャンプで使う椅子と変わらないような車椅子です。
   1945年にアメリカで開発され、欧米ではとっくに
   使われなくなった古いモデルが、日本では”標準型”として、
   いまだに量産されている。


p.166 当時のアメリカ人の体型(平均身長約175㎝)に
   合わせているため日本の高齢者にはサイズが大きすぎるし、
   フレームに布を張っただけで、椅子としての機能性も低い

あ~~、恐ろしい、日本の医療状況! 悲しむべきです。
医者の不勉強? 厚生労働省の不勉強?? 国民の不勉強???
p.167 光野氏がデザインしたものに限らず、実は、日本にも
   いい車椅子は色々あうんです。介護保険を使ってレンタルすれば、
   自己負担は月1000円ほどで済むので、
   手がとどかないわけではない。でも、普及しないのです。

犯人は誰なんだ!?!?!と叫びたくなる歯がゆさです。

*****************
日本の人間工学椅子(1970年代)は古い!?
p.170 ランバーサポート:バックレストの一部が
   腰椎のカーブを支えるように張り出しているもの

   (中略)最初は気持ちいいが、20~30分すると
   お尻が前にすべってしまう。結局、骨盤が倒れ、
   背中も丸くなってしまう

p.171 1970年代にスエーデンの理学療法士が考えたのが、
   骨盤そのものを支える「骨盤サポート」と、
   坐骨が滑り出すのを防ぐ「アンカーサポート」です。
   そうした方法で骨盤の後傾を防ぐ考え方が、
   新しい人間工学
なんです

   
p.173に光野氏が開発している「レポ」という椅子の情報が。
http://mitsunoy.jugem.jp/?eid=1969
私も90歳を過ぎれば座っている時間が伸びて、必要になるかも?
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「自宅」を終の棲家に  10  具体的な住宅例

2022-10-25 05:47:08 | 介護

上の書籍はこの本の中で紹介されているものです。
素晴らしい本です。(私もかなり前に読みました。)

p.153 建築の専門家は、(住宅の)性能向上の対策として、
   手すりと段差解消と有効スペース確保しか
   建築的には打つ手がないと考えがち

   (中略)高齢者配慮対策性能の向上は、
   建築(特に住宅)と福祉の専門家がワンチームとなること
   でしか永遠に実現できないものだ。

確かに、見た目が美しい・便利そうなだけでは、
個々の使い勝手やメンタルの向上につながらなそうです。
大事なことは、
「自分がどんな部屋で、どんな過ごし方をしたいのか」
常に考え、勉強し、新しい情報を得ることのようです。

p.160~は著者による住宅デザイン例が紹介されています。
p.172 輻射暖房の安価な製品紹介が。

他にも<介護に関する書籍>がたくさん紹介されています。
この本から新しい世界が広がっていく感じがしました。
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「自宅」を終の棲家に  9  方法論 よいケアマネと在宅医 

2022-10-24 05:09:33 | 介護


p.132 最初にするべきことは、
   よいケアマネと在宅医を探すことだ。
   (中略)ケアマネと在宅医は玉石混交であるうえ、
   一度依頼すると簡単には変更できない。

あ~、恐ろしい・・・・・ いえ、悪い人でなくても、
人それぞれの個性・持論・相性は在って当たり前なのですから。
なので、、、健康なうちから「よいかかりつけ医」を見つけ、
たまに診てもらうことが重要です。

西洋医学には近づきたくない私ですが、数年前に
夫のために近くで「訪問診療」をしてくださる内科医を探し、
何かとお世話になっています。

p.133 ケアマネには在宅看取り積極派と消極派が存在するので、
   積極派の人を探すこと
   (中略)面談して要望を伝えること
   (中略)それに対して、リスクを説明したで
   最終的に前向きに動いてくれる人であれば安心だ

   一方で、よい在宅医が近所にいないだとか、
   近所では在宅看取りの環境が整っていないなどといった
   第三者的な要因で、遠回しに看取りをしないほうがよい
   というのが消極派ケアマネの常套手段だ。

   このようなことを言うケアマネなら、
   別の人を探したほうがいい

こういう知識がなくて後悔するのは嫌ですね。
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「自宅」を終の棲家に  8  自宅で逝けない理由

2022-10-23 05:50:30 | 介護

上記の本は、私はまだ読んでいませんが、p.29で紹介されています。
古い本ですが面白そうなので図書館にリクエストしたところです。
   著者・蒲谷 茂(かばや しげる) 1949年生まれ。医療ジャーナリスト。
   立教大学卒業後、健康雑誌『壮快』の編集にかかわり、8年後に独立。
   多くの医療・健康に関する書籍や雑誌の編集・執筆、テレビ番組の
   創刊編集長に就任。その後も、30年以上にわたる経験や人脈を生かし、
   自分のからだは自分で守るための情報を発信し続けている。

   著書に『死に至る病・チェックリスト』(バジリコ)、『歯は磨くだけで
   いいのか』(文春新書)、『民間療法のウソとホント』(文春新書)、
   『測るだけで大丈夫』(八重洲出版)などがある。現在、八ヶ岳南麓に住み、
   エフエム八ヶ岳のパーソナリティもつとめている。

今日の記事はまだ「終の棲家」の田中氏の本についてです。

p.29 内閣府が行った意識調査(平成24年)によると、
   最期の居場所は
   病院などの医療施設がよいと考えている人 28%
   介護施設がよいと考えている人   9%
   自宅がよいと考えている人     55%

   と、自宅希望が圧倒的に多いにもかかわらず、大半の人が
   希望とは異なる場所で最期を迎えているのが現実だ。

なぜ、自宅で死ねないのか?上記の本の著者・蒲谷氏の分析は、
   終末期に在宅で療養ができた場合の条件を探ってみると、
   ①必要な在宅医療・介護サービスが確保できたから 42.9%
   ②病状などから、医療機関における医療が必要ないから 33.9%
   ③家族などの介護者が確保できたから 32.9%
p.30  ④本人・家族などが強く希望したから 33.4%


   つまり、本人や家族が、自宅で最期を迎えることを
   強く希望することが、自宅で死ぬためには重要なのだ。

   それが困難となる理由の大きなものは、
   「介護してくれる家族に負担がかかる」
   「病状が急変んしたときの対応に不安がある」

p.31 介護施設のなかでいちばん人気の特別養護老人ホームでは
   いろいろなリスクやスタッフの過度なストレスを考慮して、
   看取りはできず、終末期には退去させられるところも
   多い
のが現実だ。

だから、自分の医師、家族との話し合い、周到な勉強と準備が
大切なのですね。
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「自宅」を終の棲家に  6  ホスピスの利点

2022-10-21 06:01:42 | 介護


著者・田中氏(建築家)の義父の方は約6年半の
老人ホーム生活後にホスピスで最期を迎えられたそうです。
費用的には大変そうですが、理想の逝き方を考える上では
とても参考になります。

p.32 ホスピスの一般的な入居条件は、
   末期ガンなどで余命宣告をされていること

義父さんのホスピス暮らしは人生最期のたった2週間だったそうですが、
身内とのゆったりとした時間を過ごし、<意識が薄れるなか、>
ベッドに寝かせたまま敷地内の庭園の散歩や、ピアノ演奏を聴いたり、
愛犬との十分な触れ合いなどを楽しまれたそうな。

「いいわねぇ~~、お金のある人は・・・・・」と羨むだけではいけません。
これに近い介護を自宅で安価に受けられるのが最高なのですから、
こういった本を読んで勉強する必要があるわけです。

p.35 ホスピス先進の欧米では治療のための機能性が要求される
   病院と違って、ホスピスでは快適な環境が患者の苦痛の
   緩和に大きな影響を与えるとして、室内の装飾、照明、食事、
   娯楽、介護にあたる人達との人間関係などにきめ細かく留意
   しているそうだ。

   ホスピス内は温かい家庭的な雰囲気が溢れており、どこも
   緑の木々や草花に囲まれてゆったりとした庭園での散歩が
   毎日できるようになっている。

   これら欧米のホスピスの理念は
   よりよく生きるために行う援助のすべてを指し、
   決して単なる「死に場所」ではない
*****************

p.36 まだ日本ではホスピスは絶対量が少なく、質より量も必要な
   段階なので、それが悪いと言うつもりはないが、
   一刻も早く欧米レベルの居住空間を実現するホスピスが
   増えることを望む。

つまり、本当に快適な(幸せに満ちた)最期について、
お役所や病院関係者はもちろん、一人一人の国民が真剣に考える・
準備する
ことが必要だということのようです。
   



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「自宅」を終の棲家に  4  介護施設で逝くメリット・デメリット

2022-10-19 13:14:35 | 介護


著者があげる逆説的なメリットの一つとして
介護施設なら「気楽」という言葉がある。

p.76 家族に迷惑をかけるくらいなら、施設に入居した方が
   気楽であるという一面はある。特にオムツ交換などは、
   身内にしてもらうよりはまったくの他人の方がよほど
   気楽だろう。

しかし、家族にとっての大きなデメリットもあるのである。
以下は、介護施設に入らない場合のメリットですが、
p.77 わかりやすいメリットのひとつはお金の面だ。
   以下のルールの範囲内であれば、介護施設に入らないことが
   メリットとして大きくなる。

   そのルールは2つ。
   ①介護のために家族が仕事を辞めることは絶対に避ける
  
   ②介護のための同居は避ける。

全部は書き写せないので、是非本書を購入してお読みください。
とにかく頭と心を最大限に動かして、介護保険を賢く利用すれば、
自宅での生活を継続させることが可能だそうです。

私たちは多額の介護保険を払っているのですから、上手に利用して
好きな場所(終の棲家)で満足のいく逝き方をしたいものです。

この項での参考文献は
「もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法」川内潤(ポプラ社)
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「自宅」を終の棲家に  3  老育  介護施設は誰のためのモノ?

2022-10-18 05:43:33 | 介護


介護施設は誰のためのモノ?をきちんと見極めねばなりません。
なぜなら、問題行動を頻繁に起こす老人の家族にとっては
「親を安全に見守って、24時間面倒をみてくれる施設」は
願ったりかなったりで、本当に有難い施設でしょう。

しかし、、、
p.74 介護施設では転倒、徘徊、問題行動は日常的であるため、
   よほど大きなことでない限り、入居者の家族に安心して
   もらいたいため、過少に報告される。
   そのためなかなか可視化されないという事情がある

   しかしこれは、親族の立場からすれば、
   いわゆる「無知の幸せ」である。
   本当にそれでよいのだろうか?

   確かに家族の介護負担は減るだろう。近所迷惑の心配も
   なくなった。それだけで介護施設に入る意味は大きい
   という考え方は理解できる。

   介護施設に入居してしまえば、昔の優しく上品だった
   おばあちゃんのよい思い出だけを自分の子どもたちに
   残せると言った人がいる。

長くなりますが、以下も非常に大事なことだと思うので書き写します。
p.75 でもそれでは、4人に1人が高齢者である昨今、子どもに
   対する教育としては問題があるのではないか。

   食育などのさまざまなアプローチの教育が増えているなかで、
   老いを学ぶ「老育」はもっと社会全体で取り組むべき

   本人が入居を望んでいる場合は別だが、入居を迷っていたり、
   入居したくないと考えているときには、介護施設や老人ホームに
   安易に入らなくてすむ方法を社会全体で考えていくべきだ

この本には問題介護士が多数派の問題介護施設のことや、
老人が問題行動を起こす理由について詳しく書かれています。
施設も介護士もケアマネジャーやヘルパーも玉石混交だそうです。

だからこそ、全ての人が「その場しのぎ」の施設選びではなく、
「いずれ自分が行く場所」と思って、よ~~~く学ぶべきことだと、
私も思います。

この項に登場する参考文献
「いのちとすまいの倫理学」工藤和男・著(晃洋書房)
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「自宅」を終の棲家に  2  「サシミの法則」

2022-10-17 05:55:43 | 介護


「サシミの法則」とは、ネットから拾ってみると、
   http://blog.livedoor.jp/ff_polaris/archives/54204196.html
   「刺し身の法則」をご存じだろうか。
   社会的集団を取ることで知られるミツバチやアリにおいて
   集団の3割は せっせと働き…4割は普通に働き残りの3割は
    あまり働かないものに分かれるという。

   その集団からせっせと働く3割を除いても、あるいは…
   あまり働かない3割を除いても残った集団は自然にまた
   上記の3割、4割、3割に分かれるという。

   「3:4:3→サシミ→刺し身」の法則というわけだ。

p.88 介護現場でも、社会集団での「サシミの法則」通り、
   3割はよく働き、4割は普通で、残り3割の人があまり働かない。

   働かないだけであればよいのだが、この残り3割はだいたいが
   「上から目線型」や「ダメダメ型」の問題介護をしがち
   介護ヘルパー、またはその予備軍なのだ。

順序が入れ替わるが、
p.82 「問題行動の陰に問題介護あり」
   問題行動とは高齢者の徘徊や介護拒否、被害妄想、異食など
   認知症が進行することによって生じる行動のことを言う。

   この問題行動は介護次第と言われるほど、介護する相手との
   関わり方に大きな影響力があるのだ。いわゆる問題行動をする
   人に対して、問題のある介護をすると、問題行動だらけになり、
   それを封じ込めるために薬が投与され、やがてお年寄りが
   問題行動さえもできなくなってしまうという現実が存在する。

介護は3~4K(きつい、きたない、きけん、くらい、、、)職場なので、
ヘルパーは簡単に辞めてしまい、常に人手不足だから、簡単に次の職場に
入れる。そこが自分の様式に合わなければまた、すぐに移動するそうです。

自分の様式というのは、現場で働くヘルパーのタイプで、
p.87 「上から目線型」「ダメダメ型」「職務優先型」「新人類型」
   「優等生型」(自身が親の介護をした経験があるか、お年寄りが好き)
などで、一番良いのはもちろん優等生型だそうです。

紹介が前後しましたが、ヘルパーさん選びは大変な作業で、
もちろん「選べない」ことが多く、イイ人に巡り合っても、
長続きはしないもの!ということらしいです。

だから、著者のお勧めは「自宅を終の棲家に」ということなのです。
*****************
この項での著者のお勧め文献は
「誰も書かなかった老人ホーム」小嶋勝利(老人ホーム紹介業)・著
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