玉肌日記

【別所温泉（長野県上田市）】
上田の南方にある温泉。上田駅からは小さい電車（東急系の上田電鉄）が走っており、交通の便が良いこともあってなかなかの観光客の多さ。町には共同湯が点在しており、温泉街の雰囲気は充分ながら、やや近代的な宿が目立つ。泉質は単純硫黄泉ながら、こちらもアルカリ系であってphは8.5程度。無味無色だが、やや硫黄臭とともに局面によっては湯の華もありという具合。源泉は50℃程度でやや熱めの湯だが、源泉掛け流しにしていることもあり、夕方の入浴ではかなりジンジンくるほどに熱かったものの、冷え込んだ早朝では適温かやや温めという具合。温泉はなかなかに素晴らしく、お寺や温泉街もやや近代的に傾斜しつつあるも、雰囲気はとどめる。ちなみに、こちらの地方では車で田舎を走っていると共産党の看板を目にすることが多く、調査するに、上小農民組合連合結成等の農民運動の盛んだった地である模様。山本宣治（通称;山宣）の碑が別所温泉にはあって、これは共産党を弾圧する過程で碑の取り壊しを命じたものの、宿主人が密かに自宅の庭に埋めて38年間守り通したとのことで、これに由来しているか。しかし、宿泊したその宿は、先代が守り通した社会主義とは対極の資本主義もイイところであり、いろいろなオプションが用意されているが、すべてが有料というカネカネしたもので興ざめ。