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掃苔日記

2024年04月27日 | 畸観綺譚
渡辺錠太郎(12-1-10-15)
二•二六事件で叛乱軍に殺害された重臣の中でもっともマイナーなイメージ(失礼)な一方、ただ唯一拳銃で迎撃。拳銃の弾を打ち尽くして戦死したことからゴリゴリの軍人だと思っていたが、「渡辺錠太郎伝」(岩井秀一郎)でイメージが一変。本屋で目に入ったそのカバー表紙は、軍装ながら恥ずかしげに笑う錠太郎と娘・和子のツーショット、近年の書籍では最も出来栄えよい表装ではないか。”二•二六事件で暗殺された「学者将軍」の非戦思想”と表紙にあるよう、給料がほとんど丸善書店への支払いで消えたと言われるが、娘の和子はその後、キリスト教の洗礼を受け、その著書『置かれた場所で咲きなさい』(2012年)がベストセラーになっている。渡辺錠太郎の娘と知っている人は少ないのかもしれない。襲撃の気配を感じて「お母さんのところに行きなさい」といったものの戻ってきてしまった和子を机の影に隠して応戦、和子は1mほどで父•錠太郎が44発も被弾するのを目撃している。「少しはましな人間になって、父のような惨めな死に方はしたくない」といってキリスト教に受洗したというが、ちょっと錠太郎にヒドすぎないか…。小学校中退ながら陸軍大学校(17期)主席卒、家でも教育総監ながらも子煩悩な父親だった様子。墓誌には仏教・キリスト教双方での名前が並び、墓石「陸軍大将渡邊錠太郎之墓」は徳川義親の筆。灯籠を含めてとても立派な雰囲気。徐行必須の園内の車道に面していることから運転していてもわかりやすく、多磨霊園初訪問時から本来の目的地近くに錠太郎の墓があることを発見。
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