Side Steps' Today

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掃苔日記

2023年02月04日 | 畸観綺譚
尾崎秀実(10-1-13-5)
ゾルゲ、とくれば尾崎秀実(ほつみ)。ジャーナリストで近衛文麿の政策ブレーンだった秀実も事件に連座して刑死、ゾルゲと仲良く多磨霊園に眠る。さすがに真隣ではないがゾルゲ17区、秀実10区と比較的近い。TVで芸人・若林正恭をみるたびに尾崎秀実の顔を思い出すが、ゾルゲ事件の中心的な協力者というよりは獄中通信『愛情はふる星のごとく』の印象が圧倒的。なぜか昔Side Stepsが南武線沿線(稲田堤だったか)のスタジオで練習した時期に、全く乗り慣れない南武線車内で降り間違えないようにビクビクしながら読んだ記憶がある。妻と娘への獄中からの手紙だが、スパイ活動のみならず主義者であることさえ妻に秘匿していたため「やられたとき、そいつが心配」(尾崎)に対するべく手紙で慰撫、非常に細やかな生活指示(インフレ対策や投信活用などまで)をしている。3年間で250通ほど。死刑確定を境にした記述の変化に加え、刑死のパターンとはいえ「僕も勇を鼓して更に寒気と闘うつもりでいます。」という葉書の一文が絶筆、その後に呼び出されて処刑になるというのが衝撃的(弁護士宛の遺書はある)。その尾崎秀実の墓だが、妻・英子と一緒。見れば、ロシア大使館員が(ゾルゲのついでに?)参拝したのだろうか散ったバラの残骸に加えて右下にはウオッカ。一気にソ連参拝感が増したがニッカのウェルキンソン(1000円ほど)とは、あまりにゾルゲとの扱いに差がありやしないか? 墓石も他と比べて細長いため、ひっそりとしていて目立つことなく静かに…といった雰囲気十分。
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