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掃苔日記

2022年12月17日 | 畸観綺譚
リヒャルト・ゾルゲ(17-1-21-16)
これまで何気に行っていた多磨霊園にゾルゲの墓があると聞いて早速訪問、というのもウクライナ侵攻でロシア(旧ソ連)関連報道が盛り沢山な中、「ロシアの戦勝記念日に駐日ロシア大使館員がゾルゲの墓を参拝した」とのニュースを発見したから。戦中にスパイ容疑で逮捕されて巣鴨で刑死して雑司ヶ谷の無縁墓地に埋葬されたはずではなかったか…。早速ネットを漁るに多磨霊園にあるのは確実で、なんとGoogleマップ上で位置マークもある(!)。確かにあの広大な多磨霊園の中ではお目当ての墓を探すのは一見では無理、あらかじめ霊園の番地構造を理解して付近に到達後、さらに実際の墓石を見て探し当てるしかない。大戦中、対日・対独戦と両面戦を強いられたソ連に「日本は南進政策(なので対独戦に集中すべし)」という重要情報をもたらしたゾルゲは今でもロシアの英雄であり、墓は非常に綺麗。とは言っても国籍はロシア系のドイツ人でドイツ共産党から、という流れ。参拝者があったという戦勝記念日の後だったこともあって一際豪華な献花があり、それも明らかに周囲の日本的な献花とは違ったスタイルの薔薇! ローズ・リースなのがなかなかに洒落ている。大使の参拝前に大使館員が清掃して磨き上げたのか墓石もピカピカで金色の銘が映える。名前の下には内縁の「妻・石井花子」(89歳でH12没)の名も。その左横には「ゾルゲとその同志たち」との碑、右横には「戦争に反対し世界平和の為に生命を捧げた勇士ここに眠る」として略歴を記した碑があり、死後二十年(1964)を経て「ソ連邦英雄の称号をおくられる」で閉じられているが「戦争に反対し世界平和の為に生命を捧げた」かどうかはソ連のご都合主義で何だか微妙。多磨霊園は区画によっては高木のため薄暗い場所もあるが、このゾルゲの墓付近(17区)はそれもなくて開放感があって明るい雰囲気。
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