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玉肌日記

2008年05月08日 | 玉肌日記
【城崎温泉(兵庫)】
”小説の神様”志賀直哉の小説『城崎にて』で有名なる温泉地、城崎に初訪問。有名な割にはなかなか交通としては不便な場所にあって、特に車での訪問については顕著。この地方では歴史のある温泉街ながら、街全体としては大人数収容用のホテルと老舗旅館が軒を連ねる状態だが、基本的には外湯中心ということで、その7つある外湯巡りのため、夕方になると浴衣姿の人が行き交うようになり、雰囲気のある温泉街となるが日中のそれは湯布院や軽井沢のよう。特に訪問時は3月中旬ということもあり、卒業旅行なのか関西ヤンキー系の方々が多く見受けられた。当方も張り切って外湯巡りをするも、まず最初の外湯で衝撃的なる塩素臭。というのも、ここ城崎では温泉が集中管理されており、湯を大事にするあまり(確かに温泉が枯れるという事態はここまでの温泉街にとってはあまりに致命的であるには違いない)か、城崎にある源泉4つをブレントしてそれをタンクに貯蔵して配給しているというシステムとのこと。これだけであればまた良いものの、さらなる効率性を追求してのことか、各施設内で循環させて使用する湯量を節約している模様で、その際に塩素消毒が用いられているとのこと。それは”プールに来た?”とも思えるもので、正直幻滅。泉質どころの話ではなく、しかも外湯7つすべてが”ブレンド”であるから、どこも同じ泉質であり、それをジェット風呂とかサウナ等で特色付けをしなくてはいけないという悪循環になっている。旅館の内風呂の塩素臭は強くないが、あの有名なる城崎がこの状態であることは正直現地に行かずして分からなかったが、節約も度が過ぎると逆効果と思料。温泉の質を楽しむのではなく、温泉場の雰囲気を楽しむ温泉と思えば、それもまた楽しめるか。