Side Steps' Today

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玉肌日記

2006年12月21日 | 玉肌日記
【川原湯温泉(群馬)】
消え行く湯、2010年完成の八ツ場ダムのダム底に沈む運命にある同温泉。あと3年後に迫っているということもあり、今のうちに訪問(なお、付近の料理屋で聞くに、温泉、そして温泉街が沈んで"消滅"するのではなく、"移動"するとのこと)。街道から一本奥に入った、山斜面に作った道沿いのわずかなスペースにかなり年季の入った旅館が10館程度並ぶ、かなり渋い温泉街ながら、消え行く運命にあることから、新たな設備投資を中止している模様で、かなり素朴なる印象。そのサビれ具合が非常によろしい雰囲気をかもし出しているが、これは消え行くものの放つ美しさでもあり、そういう運命でもないのであればそれは単なる営業努力不足としか思えず。今回はその設備投資中止が奏功しており、なかなかに古いものが残っており、"昭和"の雰囲気充分(という当方も昭和の生まれ….)。泉質は硫黄泉系ながらも、湯の華成分はすくなく、微量が混じる程度で、湯の色はほのかに白く、葛湯色。源泉が熱く、水にて加水して温度を下げているが、ほのかな着色具合にも関わらず、臭いは意外にあり、何かに似ていると考えるに、それは石油であり、おそらく硫黄成分がその要因ではないかと思料。旅館は全て山斜面にあるが、特に川側にあるところは景観もよく、これがダムに埋没するのは確かに惜しい気も。できればこのままの雰囲気をキープしての移築を希望。