蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

旧芝離宮恩賜公園  浜松町

2008-10-05 16:05:57 | 古民家、庭園
明治の始めに皇室の芝離宮となり、それが昭和の初年に下賜されたので恩賜公園だが、もともとは小田原藩主大久保忠朝が作庭した楽壽園である。


東京湾に隣接した標高が低く、高低差の無い土地なので池が主流の庭となった。池の輪郭は複雑で、大小の島が浮かぶ。この池も東京湾の海水を取り入れた潮入り式であったが、現在は周囲が埋め立てられて、潮は入れられず、水面は固定されている。


石灯籠の下の敷石や、画面右手の砂浜の様子をみると、以前潮入りの池であったことがよくわかる。砂浜の後ろには、おそらく盛り土をして築いたと思われる大山と呼ばれる高台がある。


大山のふもとにある枯滝。大山と呼ぶほどなのだから、ここはぜひとも滝か遣水くらい欲しいところである。しかし、周囲がまっ平らなこの地形では、大山へ水の引きようもない。そこで、枯山水の登場となったのだろう。


池のほぼ中央に浮かぶ蓬莱島と、そこへ通じる西湖の堤。


根府川山。根府川は小田原近くの地名で石の産地として知られる。おそらく、江戸初期の天下普請による江戸造営の際にも活躍したのだろう。そして大久保家は本多家との権力争いに敗れた一時を除き、小田原藩主であった関係があるのだろう。


西湖堤の反対側の八橋から、蓬莱島を望む。海近が近いからか、この庭には松が多い。


庭園の周辺は、今や都内でも一等地であり、昔は静かな海岸であったところにビルが建ち並ぶ。なるべく、ビルが入らないアングルをねらったのだが、こういうトホホの写真も・・・