蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

はすみ  川越市

2008-04-03 21:28:40 | 蕎麦
地方都市は、店じまいが早い。たいして遅くない時間の筈なのに、お店は次々と明かりを消して、結構賑やかな筈の通りが真っ暗になってしまう。ここ、川越でも事情は同じ。思ったより仕事が遅くなり、松江町までバスで出てきたのが7時を20分は過ぎていた。それから、かなり大雑把な地図を頼りに、暗い道を歩く。もし、お店が閉まっていたら、今夜の夕食は本当に悲惨なことになる。それを承知の上で、駅とは全然別の方向へとひたすら歩き続ける。


路地の奥のお店から、明かりが漏れているのを見つけた時は、本当に嬉しかった。閉店時間まで10分しかないが、入ってしまえば、こちらの勝ちだ。


閉店間際に、一人きりで飛び込んだのだが、なかなか風情ある座敷に案内してくれた。これは、酒、つまみ、蕎麦を全部注文して、蕎麦は声をかけますから、というのがマナーだろう。生酒には、揚げ蕎麦がお通しとして、付いてきた。


つまみに注文した鴨の燻製。レモンを絞り、しらがネギを添えていただくと、豊かな風味が口中に広がる。作り手の暖かさが伝わってくる。切り方が、なかなか大雑把なのもよい。もう少しで、酒をお替りしてしまうところだった。


二色もりは、おせいろに変わりそば。蕎麦猪口が繊細な薄手で、徳利の口が独特な三角なのを見ただけでも、このお店のこだわりが充分に感じられると思う。お店に入る段階ではわさわさしたが、落ち着いて食べる余裕を与えてくれる蕎麦だった。
こちらには、十割や、割り箸の太さの深山など、また行って試したい蕎麦がある。