ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

キッス @名古屋・ドルフィンズ・アリーナ(愛知県体育館)

2019年12月20日 | ライヴ(日本公演)

キッス (12月19日 名古屋・ドルフィンズ・アリーナ<愛知県体育館>)

キッス(Kiss)が最終ツアー「End Of The Road World Tour」を行ってライヴ活動に終止符を打つと発表されたのは随分前のこと(すぐ復活しそうな気がするが・笑)。すでにアメリカ、カナダ、ヨーロッパ各国を回って、ついに日本へ(直前のオセアニアは中止)。前回の来日公演ではいい席が取れたが、その後チケット事情は転売目的の業者を排除するために厳しくなり、オークション等では玉数が激減。チケット入手もハコの大きい東京、大阪のドーム公演は問題ないだろうが、何と言っても愛知県体育館(昭和39年・1964・建造)はハコが小さいので(※7,000人程度)出来ればそこで観たい。最近の名古屋の洋楽ライヴ事情は完全氷河期。大物は素通りし、中堅だって寄り付かないヒドイ有り様。ったくプロモーターは何をやっているのか…(改修によるホール不足もあるらしいが…)。チケットの正規取得を目指すも、あっさりと先行予約に外れ、販売当日もネットはずっとフリーズしたまま…。ログイン出来たと思ったら、あっという間に売り切れ完売になってしまった。ただ、未練がましく販売終了後もアクセスしていると、接続後のキャンセルがあるのかなぜか一瞬だけ購入画面に再進入出来そうに。めげずに続けているとポロッとA席が1つだけ購入可になったのですかさずポチッと。…めでたく滑り込みギリギリセーフ。

もうこの情報洪水の中、セットリスト情報を遮断することは無理なので、しっかりと演奏曲を把握して公演日を待つ。日本最終公演が名古屋となるが、調べてみると1977年の初来日公演でもこの愛知県体育館を利用したようだ。40年以上の月日。相変わらず物販は無視して会場入り。

久しぶりにこの会場に入るが相変わらず天井が低く、まさに体育館。この会場もそろそろ増床新築移転の話があるようだ。そんなハコで世界有数のスーパー・ロック・バンドを観ることが出来るのだから幸せだ。しっかりと確かめもせず購入した自分の席は…、ほぼ正面ではあるが、ワイヤーでステージが真っ二つに(涙)。前回とのギャップがあまりにも激しいが、ま、取れただけ良しとしよう。自分は開演前のSEが(気分が盛り上がるので)すごく好きなのだが、時代の流れか動画付きの商業宣伝がその音楽を断絶する。しかもギリギリの時間までやるのだから腹立たしい。せめて30分前からは音楽のみにして欲しいものだ。

定刻より少し前にお約束ツェッペリン(Led Zeppelin)の「Rock And Roll」が流れ、一気にライヴ・モードに。曲の終わりを待たず「Alright, Nagoya! You wanted the best! …」の恒例アナウンスが入り、ドッカーンッとパイロ爆発してスタート。1から10まで全部お約束通りだが、1から10まで全部楽しい。 心なしかポール(Paul Stanley)の声がガサついているようだが、ともかくポールの体調が回復し、日本公演がこうして成功に終わって良かった。

ショーマン・シップの塊、ジーン・シモンズ(Gene Simmons)のベロ出しカメラ目線がこれでもかと。バックドロップの映像があまりにも鮮明な為、ついそちらに目がいってしまう。上から見下ろしているのでステージ上部に設置してあるスクリーンが目に入らず、派手さが減衰しているのも…(これはアリーナ前方の特権だ)。こうしてみるとトミー・セイヤー(Tommy Thayer)って優秀なギタリストだなァ。やるべくことをキッチリ出来る技量(顔はジョー・ペリーがメイクしたようにしか見えないが・笑)。元々ファンとしてコピー・バンドで演奏し、ジーン及びバンドの雑用係を経てツアー・マネージャーに。そして正式にギタリストとしてメンバーになるんだから、これをアメリカン・ドリームと言わずして何と言おう。それと前回のツアーの時はどうだったか忘れてしまったが、エリック・シンガー(Eric Singer)の歌が上手いのに驚いた。中盤にはポールがクレーンを使って第2ステージへ空中移動。2階席の自分達の目の前に。あぁ、ここでも視界に入るワイヤーが恨めしい…。

そして終盤。客の年齢層は高いので、これで本当に終わりなのかという感慨というか寂しさが、自分の周囲の年配の観客に拡がっている感じがする(自分の隣の女性はどう見たって60代後半だ)。自分のような遅れてきたファンでもロックが好きである以上、若い頃からキッスは常に目にしていた。昔のメンバーの映像もヴィジョンに映るのだが、メイクをして、それこそ時代を超越した”アイコン”としての存在になっているので、あまり年をとったという感じがしない。それでもジーンがインタヴューで答えていたように、70歳を過ぎてあのへヴィーな衣装を着て2時間ショーをするのは並大抵な事ではない。自分達の終わりは自分達の手でコントロールしようとしているのはかっこいいこと。パフォーマンスは相変わらず素晴らしく、相も変わらずド派手で楽しいロックンロール・ショーなのだった。そしてオーラス、大量の紙吹雪とスモークが舞い上がり「Rock And Roll All Nite」で大団円。「End Of The Road World Tour」はまだまだ続くが、日本での公演はこれで見納め。素晴らしい2時間だった。

 

 

 

 

01. Detroit Rock City
02. Shout It Out Loud
03. Deuce
04. Say Yeah
05. I Love It Loud
06. Heaven’s on Fire
07. War Machine
08. Lick It Up
09. Calling Dr. Love
10. 100,000 Years
11. Cold Gin
12. God of Thunder
13. Psycho Circus
14. Let Me Go, Rock n Roll
15. SUKIYAKI
16. Love Gun
17. I Was Made for Lovin You
18. Do You Love Me
18. Black Diamond

<Encore>
19. Beth
20. Crazy Crazy Nights
21. Rock and Roll All Nite

コメント (3)
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