ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

山田屋 (2) @名古屋市東区・市役所

2017年08月08日 | 名古屋(東区・北区 老舗)

久しぶりに名古屋城の外堀にある老舗食堂「山田屋」へ。創業は昭和5年(1930)。ちなみにすぐ隣は鰻の老舗「木屋」。屋根型の立て看板が並ぶ店先から夏用の白い暖簾をくぐって店内へ。相変わらず渋い店内の土間のテーブル席に腰かけて何を食べようか思案する。最初はご飯ものにしようと思っていたけれど、この日は曇天の蒸し暑い中を歩いて来たので冷たいものが食べたくなり、結局「天ころきしめん」を注文した。次々と店に入ってくるのはサラリーマンばかり。皆汗を拭いながら壁に貼ってある品書きに見入っている。年季の入った水屋箪笥、岡持ち、奥の厨房のタイル貼りの窯など、歴史を感じさせるものをのんびりと眺めながら待った。他の客が手洗いを借りに奥へ消えたのを見て、自分も興味本位で手洗いを借りる。厨房を通って座っていらっしゃる大女将さんの前を横切って裏へ出て、中庭の奥にある木戸を開けると天窓付きで裸電球がぶら下がっている厠があった。バックヤードも渋い。手だけ洗って席に戻ると、ほどなくして「天ころきしめん」が登場。

丼ぶりの中はほうれん草、花鰹、甘く煮た小さい揚げが3つほど。そして海老天が横たわっている。麺はきっちりと冷やされてのど越しが気持ちいい。”ころ”(=冷たい麺に少量のつゆ)のつゆの色はしっかりと濃いめだが味はほどほどで、きっちりと出汁の風味を感じられて旨い。天ぷらはこういう古い食堂らしく揚げ置きで海老も大きくはないが、衣で花が咲かせてある。だんだん衣の油がつゆに出て、コクを増していき更に旨くなった。ゴクゴクといけてしまう。やっぱりイイなァ、ここは。次こそ「かつ丼」か「志の田丼」あたりを。(勘定は¥750)

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↓ 名古屋城の外堀にある大津橋から下を覗くと「名鉄瀬戸線・大津町駅跡」(大正3年・1914・※遺構の建造時期は不明)がある。「瀬戸電気鉄道」の娯楽園駅として開業した堀の中にある駅。駅舎へ降りる階段と手摺が今も残っている。こんな所に昭和51年(1976)まで駅舎があり、電車が走っていたのだ。城の外堀ってどういう権利関係になっているのか知らないが、看板には今も「名鉄」の所有地である旨が書かれていた。

 

↓ ここにかつて瀬戸電の複線があって電車が走っていたとは思えないほど鬱蒼と草が茂る堀の中。今では蛍が観られるのだとか。

 


 

 

山田屋

愛知県名古屋市東区東外堀町10

 

 ( 外堀 そとぼり やまだや やまだ屋 大衆食堂 麺類食堂 老舗食堂 戦前 名鉄 名鉄瀬戸線 名古屋鉄道 瀬戸電 大津橋駅 近代建築 名古屋市市政資料館 )

コメント (2)
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