ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Howlin' Wolf Album / Howlin' Wolf

2017年08月25日 | ブルーズ

The Howlin' Wolf Album / Howlin' Wolf (1969)

ブルースの巨人、ハウリン・ウルフ(Howlin' Wolf)の1969年発表の問題作。一応「The Howlin' Wolf Album」と呼ばれているが、何が問題って、まずジャケット表にデカデカと『これはハウリン・ウルフのニュー・アルバムです。彼は気に入っていません。もっとも最初はエレキ・ギターさえも気に入りませんでした。』と大書きしてある。何という呆れたマーケティング(笑)。同門のマディ・ウォータース(Muddy Waters)の「Electric Mud」(’68)や、以前に紹介したボ・ディドリー(Bo Diddley)の「The Black Gladiator」(’70)と同様に、当時隆盛のワウワウ・ギターを多用したファンク、サイケデリックよりのロックバンドとの共演を企画(強制?)されたアルバム。経済的にもレコード会社的にも妥協を強いられたのだとうは思うが、レコードジャケットのこれはウケ狙いだったのか、実際に投げやりだったのか…。

バンドはマディ版と全く同じメンバー+相棒のヒューバート・サムリン(Hubert Sumlin)とのこと。ちなみにマーシャル・チェス(※当時Chess Recordsの社長)がプロデュースしているが、彼は翌年に父と叔父が創業したチェス・レコードを離れ、あのローリング・ストーンズ・レコーズ(Rolling Stones Records)の創業社長に就任している。

それはさておき肝心の内容は、マディのアルバム程の違和感というか不整合感は無く、ボのようなハマりっぷりも無いが、さすがアクの強いダミ声のウルフは、ピート・コージー(Pete Cosey)らの鋭利なギターやワウワウの効果に引き摺られることなく、力ずくでまとめている。過去の代表曲はアレンジこそ当時風だが、ウルフ自身がそこまで嫌う程の違和感は感じられない。5なんてアレンジもなかなかカッコイイと思うんだけどなァ(逆に6はちょっと…)。こうしてみると同じプロダクションではあっても マディ < ウルフ < ボ、と年毎にアルバムとしてはまとまっているような気がするが、それが面白いかどうかはまた別の話。セールスも結局最初のマディ版が一番良かったと聞く。ま、ウルフはこのアルバムの事を「犬のクソ」と言っていたらしいし(笑)、チェスもあのジャケはやっぱりセールスの足を引っ張ったと反省したらしいから、いつだってアーティストとレコード会社の間にははいろいろあるっていう話だ。

 amazonにて購入(¥879)

  • CD (2013/12/11)
  • Disc : 1
  • Format: Limited Edition, Original recording remastered
  • Label : ユニバーサル ミュージック
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツバイG線 @広島県広島市

2017年08月25日 | 広島県

広島市内での宿泊はホテル。もちろん朝食が付いているが、自分はバイキング形式の朝食やレストランが大嫌いなので、朝食チケットは無視してホテルの外に出る。外は昨晩の喧騒が消えて落ち着いた雰囲気。散歩がてらいくつか訪ねてみたかった場所を周ってから朝食代わりに選んだのは喫茶店のモーニング。地元の東海地方でもほとんどモーニングは利用しないが、昼過ぎまで何もお腹に入れないのもアレなのでこちら「ツバイG線」へ。創業は昭和42年(1967)だという。店名はどういう由来があるのか分からなかったが、どうも先に「G線」というヴァイオリンの弦から取られた名前の喫茶店が近くにあり、こちらは分店として後から出来たので、ドイツ語で”2”を表わす「zwei」を”ツバイ”と呼んだということらしい(こんなこと旅行者の自分が調べることではないが・笑)。

店は7時から開店との事だがそれよりも前に開いていて、看板や店の照明も灯っていた。チラッと覗くと中に先客も。もういいんだろうなと中に入ると、ちょいと仏頂面の主人が「ちょっと待ってねー」とのこと。まだ提供は出来ないが座って待ってていいよ、という事らしい。煉瓦が多用してある落ち着いた内装の店内ではBGMにオペラが流れ、赤いビロードが貼られた椅子や個性的な照明がクラシカル。カウンターにはずらりとサイフォンが並ぶ。しばらくすると外から店員が出勤してきて、すぐに注文を取り出した。もうその時には自分を含めて4組も待機していて、開店後10分で10組が店に。すごい人気だなァ。みんなここでなくちゃいけないんだね。自分は「サンドモーニング」を注文した。カウンターのなかで黙々と調理を続ける主人の所作を見ながら提供を待つ。

するとまず先に温められたカップとソーサーが置かれ、後からしっかり1杯づつサイフォンで淹れられたコーヒーがテーブルで注がれた。本格的。いい香りが店中に拡がっている。コーヒーにしっかり注力しているのが素晴らしい。しばらくして「サンドイッチ」が登場。ハムとキュウリが挟まれたサンドイッチが3切れと、ベーコンに目玉焼き、それに和風ドレッシングがかかった千切りキャベツのサラダ。香り高く旨いコーヒーに、しっかり手のかかった品々。満足出来る朝食だった。ここ食事メニューも旨そうだったなァ。(勘定は¥550)

 


 

↓ ホテルを出て世界遺産、宮島の「嚴島神社」(本殿:元亀2年・1571、客神社:仁治2年・1241建造)を参拝。ここに社殿を建てるという発想がぶっ飛んでいる。

 

↓ 別に見たい場所もあったが、そこは団体行動の辛さ。日差し強く、重要文化財の五重塔がある「豊国神社(千畳閣)」(天正17年・1589・建造、写真下右 まで登ると汗が噴き出す。

 

 


 

 

珈琲の店 ツバイG線 (ツヴァイG線)

広島県広島市中区大手町1-4-30

 

( 広島 ひろしま ツヴァイG線 ジー線 ジーセン 純喫茶 喫茶店 モーニングサービス 宮島 みやじま 厳島神社 いつくしま 国重要文化財 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする