ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

メシ喰うな! / INU

2017年08月05日 | ロック(日本)

メシ喰うな! / INU (1981)

当時19歳の町田町蔵(現・町田 康)率いるINUの唯一のオリジナル・アルバム。まずジャケットのインパクトが素晴らしい。この面構え。日本のパンクを語る場合に必ず挙がる1枚だが、自分は今までアルバムを保有しておらず、今回初めてこのCDでアルバムを通して聴いた。ジャケットの印象や今までの情報から、もっとパンク然とした音なのかなと思いきや、どちらかというとその少し後のニューウェーヴ、ポストパンク的な音触り。リアルタイムから少し遅れて「東京ロッカーズ」(フリクション、LIZARD、S-Ken等)を聴きまくった自分としては、確かに”あの頃の音”が鳴っており、「東京ロッカーズ」のバンドらも同じようにライヴでの音とスタジオ録音では随分と違って聴こえたことを思い出した。その頃(80年代中後半)にこのINUを購入しなかったのは、彼らが関西出身だったこともあると思うが、当時は中古レコード屋でいい値段が付いていたこともあったかもしれない。

ちょっとあからさまにニューウェーヴな1から始まり、関西弁がらしさいっぱいの3、ベースの反復と町田のシャウトがPIL(パブリック・イメージ・リミテッド)を彷彿とさせる表題曲の6、サックスは無いけどジェームス・チャンス(James Chance)のような不協和音の10、エッジの効いたギターがまるでギャング・オブ・フォー(Gang Of Four)を思わせる11など、少なからず当時のポスト・パンクの連中の影響を強く受けていると思われる。ベース初心者だったという西川成子のベースがシンプルな中にも狂気を発していてイイ。町田の歌詞は自分にはあまり素直に耳に入ってこないが、こうして聴いてみると音像が「東京ロッカーズ」と似ているのは、このアルバムのプロデュースが現音楽評論家の鳥井ガク(賀句)だということもあるのかも(※)

※鳥井ガクは東京ロッカーズのバンドのひとつ「PAIN」のメンバー

ブックオフにて購入(¥750)

  • CD (1998/8/26)
  • Disc : 1
  • Label : 徳間ジャパンコミュニケーションズ
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華雅 @名古屋市中区・錦

2017年08月05日 | 名古屋(中区)

普段から日本酒を沢山頂いているが、ほとんどが自宅で。燗をつけて呑むのが好きなので暑くなるとさすがにペースは落ちるが、少なくとも2~3週間に1本は1升瓶を空けるのでそんなに大層な銘柄ばかり追うことはせず、普段呑むのは2,000円台の蔵の定番酒が中心。それでも通っている酒屋があって、そこの酒の在庫の回転は素晴らしいので、いい状態の旨い酒を呑ませてもらっている。外では行きつけの鮨屋で色々出してもらう程度で、他の店では銘柄問わず。この日は、たまには外で日本酒目当てで店に入ってみようと名古屋きっての繁華街、錦にある日本酒処「華雅」に行ってみた。自分の持っていた情報は古かったらしく、店のある場所に行くと移転先の案内が(といっても移転してから1年近く経つのだそう)。すぐ近くの商業ビルの地下のスナックが入るような所なので一見で大丈夫か分からなかったが飛び込んでみた。

中に入るとカウンター席があり、スッキリとして落ち着いた雰囲気。着物に割烹着姿の女将さんに1人であることを告げ、空いていたカウンター席に腰を下ろす。こちらを知ったのは愛知県愛西市の「山忠本家酒造」が醸す「義侠」が呑めると聞いたから。自分の知っている範囲では置いている店が無く、販売している酒屋も知らないので、いつか呑んでみたいと思っていた。まずはおつまみの4種盛りをお願いして(他の酒も置いていたが)もちろん「義侠」の”純米原酒60%精米”というのをお願いした(注・銘柄の記憶はあてになりません)。初めての店だから(どちらも)様子見だが、女将さんの物腰はとても柔らかく、程々に相手をしてくれるので居心地がいい。何と「義侠」という酒に惚れ込んで商売を始めたそうで、それまではごく普通の主婦だったのだとか。それが今では酒造の守り神さえ店内に鎮座し、全国誌に取り上げられ、(自分のように)「義侠が呑んでみたい」と全国から人が集まるというから凄い。

自分はあまり強い吟醸香の酒(華やかな酒、だから花酵母とかの酒も好きでない)は好まないが、この「義侠」はそういう嫌らしさが無いのでとてもいい。冷蔵酒だから香りが抑えられているのかもしれないが、本来はもう少し温度が高い方が本当の香りがよく分かるかも。スイスイといけてしまうのが怖い(笑)、次は”50%精米”、次は”特別純米えにし”と、どんどん進んでしまい、女将さんの酒造に対する熱い思いを聞いていると、つい最高位酒の「妙(たえ)」(純米大吟醸低温熟成酒)を頼んでしまうのだった。30%精米らしいのでサラッとしているのかなという予想を覆し、意外としっかりとしたボディ(熟成酒のブレンドとか)。なるほど旨い酒だ。ただこれをしょっちゅうヤる訳にはいかないナ(笑)。酒をしっかり味わいたかったのであまり酒肴は注文しなかったが、酒造の糠を使った漬物などが酒をより旨くしてくれた。大皿に盛られたいくつもの酒肴も旨そうだったので次はもう少し色々食べてみようかな。(勘定は¥8,000程)

 


 

↓ 「名古屋城」内の御深井丸(おふけまる)エリアに建つ「乃木倉庫」(明治7年・1874・建造 ※諸説有)。木立ちの中にひっそりと佇む旧陸軍省の弾薬庫。当然「乃木希典大将」由来の名前だと思っていたら確証は無いのだとか。

 

 

 ↓ 「名古屋城・西南隅櫓」(大正12年・1923・再建 ※重要文化財)と「名古屋城天守閣」(昭和34年・1959・再建)を望む。これだけ周辺を巡っているのに天守閣に登るのは大人になってから初めてじゃないかな。

 

 


 

 

日本酒処 華雅

愛知県名古屋市中区錦3-7-5 B1

 

( 名古屋 なごや 錦 にしき 錦三 きんさん かが 日本酒 義侠 ぎきょう 山忠本家酒造株式会社 サライ 近代建築 名古屋城 国指定重要文化財 乃木希典 )

コメント (4)
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