河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

第22回日本リハ学会近畿地方会で講演

2007-03-21 | 研究・講演
リハ学会近畿地方会で教育講演をさせていただいた。

Closed Kinetic Chainの理論と臨床応用
吉備国際大学保健科学部教授 河村顕治
Closed Kinetic Chain ( CKC )では大腿四頭筋とハムストリングの共同収縮によって膝関節が安定することが注目されているが、単関節筋が強力に収縮する一方で二関節筋の抑制現象が顕著に見られることはあまり知られていない。本講演ではCKCの理論について詳細に論じるとともに、CKCの特性を利用した変形性膝関節症の運動療法やスポーツトレーニングへの応用法について論じたい。

会場は昨年できたばかりの関西医科大学附属枚方病院の13階最上階であった。
立派な病院で見晴らしもすばらしく、一度はこのような病院で仕事をしてみたいと思わせるようなところであった。
会長の管俊光先生にはこのような機会を与えていただいて、本当に感謝している。

わざわざ枚方まで出向いたので、同時に行われた他の教育講演もただで聴講させていただいた。

専門医・認定臨床医生涯教育研修会《近畿地方会》(13:30~16:30)
講演内容
1. 「MRI拡散強調画像による脳内神経線維の評価―リハビリテー ションへの応用―」
     東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野講師 近藤 健男
2. 「Closed Kinetic Chainの理論と臨床応用」
     吉備国際大学保健科学部教授 河村 顕治
3. 「日米リハ比較―祖国日本よ,これでいいのか,日本のリハビリテーション―」
     関西医科大学リハビリテーション科教授 吉田 清和

吉田先生はアメリカでながらくリハ医(専門医)をされていて、アメリカの医療制度に詳しい。
結論は日本の医療は低医療費政策そのもので、理想はアメリカのようであるべしと言うことのようだが、アメリカの状況は驚くばかりだ。
リハに限るとまず急性期のリハは非常に短期間で密度の濃い治療が行われる。PT一つとっても人員は日本の5倍くらいいるそうだ。
さらに、PT,OT,STは既に4年生大学卒業では資格が取れず、修士課程か博士課程卒業が資格を取るための条件だとか。
驚くべき高学歴化である。
また、日本の医療はただでさえ安価であるのに、その収益が医療従事者の人件費には回らずに、大部分が業者の利益になる構造になっているとのことである。

日本のこれからの医療が、medical staffの教育の充実と人員配置の充実に向けられるならこれほどうれしいことはない。
しかし、現実を見るとその反対に向かっているようで寂しい限りだ。


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