河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

高齢リウマチ患者の治療

2019-04-20 | 医学・医療
長年外来で診ている変形性膝関節症の患者さんがどうもリウマチを発症したみたいだ。
血液検査をしたらリウマトイド因子が陽性に出た。

私はRAの初発患者さんはリウマチ専門医に紹介することにしている。
しかし、長年通ってくれている患者さんをいきなり放り出すようで気の毒だ。
しばらく経過を見ることにした。

そこで、最新のリウマチ治療の注意点が知りたくて、夜、プラザホテルで行われた学術講演会に参加した。



講演タイトル
「リウマチ診療に役立つ3つのポイント」
〜高齢患者の治療、肺病変、血液検査〜

講師 川崎医科大学 リウマチ・膠原病学 教授 守田吉孝 先生


講演メモ

高齢患者のリウマチの特異的検査項目は以下の通り

抗CCP抗体
リウマトイド因子
MMP3は不要

抗核抗体
これは健常人でも10人に1人は陽性となることがある

抗ARS抗体
これは2014年から利用できるようになった抗体検査だがもともと筋炎患者に見られるものである。
多関節炎患者に陽性となり間質性肺炎になりやすい。
病名としては「皮膚筋炎の疑」

抗RNAポリメラーゼⅢ抗体
これが陽性の場合、強皮症腎クリーゼで予後不良の場合がある。
注意としてはステロイド禁忌であり、腎クリーゼを起こすといきなり血圧上昇をきたすため毎日血圧チェックが必要。


関節リウマチの肺病変

気道に病変が来る
シトルリン化蛋白に対する抗体ができる
レントゲンでは病変は分からないのでCTが必要


治療

MTXが標準だが最近は分子標的薬がよく効く

プラリアも効果がある。

MTXは副作用として血球減少症など重篤なものがあるので、できれば高齢者は外したい。

MTXを使用しないならゴムリマブ(商品名シンポニー)2筒100mgを4週間に1回外来で注射する。
高価で3割負担だと18000円
プレドニンも使用しない
経過が良ければ6週間に1回にしていく。
痛みが取れ副作用も少なく高い満足度が得られる。

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