河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

カオスは病んでいる?

2012-11-17 | 私と歩行分析
最近、従来の動作分析の手法に限界を感じている。
現在私が整備したシステムを使えば全自動でリアルタイム計測が行え、そのデータを元に体節の重心および体全体の重心や関節角度などを簡単に求めることができる。
さらに全身の筋張力解析も簡単に行える。

しかしそれだけでは運動のスキルやしなやかさ等の分析を行うことが出来ない。

例えばピラティスの運動指導を受けて体にどのような変化が起こったのかなどは従来の力学的分析では評価しきれない。

偶然、保健福祉研究所に非線形解析を得意とする野中君が来てくれたこともあり、新しい動作分析が非線形的解析手法で出来るのではないかと考えた。

手始めに取っつきやすい日本語の書籍を6冊ほど購入して研究室に積み上げていた。

カオス時系列解析の基礎と応用
カオスと時系列
カオス―カオス理論の基礎と応用
カオスとフラクタル
カオスから見た時間の矢
カオスの紡ぐ夢の中で

そうしたところ、研究室を訪れた大学院の卒業生がこんなことを言った。

「カオス、カオスって、先生が精神的に病んでいるのかと思いました。」


おおよそ、『カオス』と言う言葉の持つ意味はネガティブである。
混沌とか全く規則性のない混乱をイメージする。

ところが『カオス時系列解析』というのは、乱雑さの中に潜んでいる『法則』を計測された時系列データから見出すことなのである。
カオスというのは乱雑に見えて、その背後に規則性がきちんとあるのである。

そういったことが少し分かり始めてきて、この新しい解析法に期待が高まっている。

やらなければならないことが多くて多少疲れてはいるが、精神的に病んでいるわけではない。
コメント
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