マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

麦の穂をゆらす風

2007-07-05 11:30:10 | 映画ーDVD
ー麦の穂をゆらす風ー
2006年 イギリス/アイルランド/ドイツ/イタリア/スペイン ケン・ローチ監督 キリアン・マーフィ 、ポードリック・ディレーニー 、リーアム・カニンガム 、オーラ・フィッツジェラルド 、メアリー・オリオーダン 、メアリー・マーフィ 、ローレンス・バリー 、ダミアン・カーニー 、マイルス・ホーガン 、マーティン・ルーシー 、ジェラルド・カーニー 、ロジャー・アラム 、ウィリアム・ルアン

【解説】
イギリスの名匠ケン・ローチによる、カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた人間ドラマ。20世紀初頭のアイルランド独立戦争とその後の内戦で、きずなを引き裂かれる兄弟と周囲の人々の姿を描く。主演は『プルートで朝食を』のキリアン・マーフィが務め、戦いの非情さに心を痛めながらも祖国の自由を願う青年を熱演。アイルランド伝統歌の名曲「麦の穂をゆらす風」にのせてつづられる、歴史と運命に翻ろうされた人々の悲劇が胸に迫る。

【あらすじ】
1920年アイルランド、英国による圧政からの独立を求める若者たちが義勇軍を結成する。医師を志すデミアン(キリアン・マーフィ)も将来を捨て、過酷な戦いに身を投じていく。激しいゲリラ戦は英国軍を苦しめ停戦、講和条約にこぎつけるものの、条約の内容をめぐる支持派と反対派の対立から同胞同志が戦う内戦へと発展する。 (シネマトゥデイ)

【感想】
辛い映画でした。
内戦状態にある国には、いまも起こっている悲劇でしょう。

最初は、自国民の自由のために理想に燃えて立ち上がった若者たちでした。
そのひとりデミアン(キリアン・マーフィ)は、医者としてロンドンに赴く矢先に、圧政に苦しみ、痛めつけられる人たちを目の当たりにし、兄がリーダーを務める義勇軍に入隊します。

ゲリラ活動は悲情です。
裏切り、リンチ、逮捕、拷問、処刑。
恐ろしいことの連続。
でも大義のあるうちは、辛くても耐えていける。

イギリスが巧妙な和解案を提出、そして、条約締結、若者たちは身内から分裂してしまう。
深まる疑心暗鬼、やがては、兄弟が諍う結果に。

尊敬していた兄、小さいときから優秀だった自慢の弟。
なぜ、こんなことに…

戦争は、なんのかんの言っても結果は全部悲劇です。
誰も無傷ではいられない。
内戦となれば、親兄弟友情もずたずた。
みんな、平和のときであれば、優しいいい人ばかりなのに…。
慰めの言葉も見当たりません。

こんな悲惨な出来事を経て得た平和。
こころして、大切にしたものです。

キリアンが、感情に流されることなく、自分の信念に従って行動する純粋な若者を好演しています。
彼の澄んだ瞳が生きる、ぴったりの役でした。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
悲しい映画だったのですね・・・ (NAKAちゃん)
2007-07-05 20:29:48
映画館で予告編を見て「見たい!」と思いながら見そびれていました。
そんな悲しい映画だったのですね・・・
でもDVD借りてみたいと思います。
この映画みたいな小劇場ムービー(っていうかなぁ?)を上映してくれる映画館がもっとあちこちに有れば良いのね!
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NAKAちゃんへ (よう)
2007-07-06 09:53:46
アイルランドは日本から遠い国のようですが、アイルランドだけの悲劇ではない、人間ドラマとして作ってあるので、見応えあります。
辛い映画ですが。

ほんとね、特に大阪神戸はどこも不便なところにあるわね。
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キリアン (ミーママ)
2007-07-06 10:02:04
いい役者だよね~
彼も、コーク州出身で、知り合い?親戚?にこの内戦で命を落とした人がいるらしいですね。
この地域出身の俳優は他にも数名いたし、撮影もそこでやったから、エキストラの人たちもみんな当時のことを、つい最近のことのように話してた、とかいってたね。

キリアンってなんか不思議な人。
『プルートで~』ではすごくキュートだったのに、『パニックフライト』はすごく怖かった。
『サンシャイン~』は知的でいい感じ。
大きな青い目、長い睫が不思議な魅力を作ってるのかな。
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ミーママへ (よう)
2007-07-06 11:45:38
キリアン、いいよね。
「サンシャイン~」は見てないけど、知的な感じなのね。
これも、若き医者の役がぴったりだったね。
感情をあらわにしない、冷たい感じの目が魅力ね。
「パニック~」もそんなに怖くなかったわ。気持ち悪かっただけ。
個性が強いから、役を選ぶだろうけど、悪役ばかりじゃなくて、奥行きのある、なぞの人物を演じて欲しいな。

内戦の傷が癒えるのはすごい時間がかかるでしょうね。
敵味方とか、裏切りとか、報復とか、人々の記憶に刻み込まれるものね。
どうやって、それを癒していくのでしょうか。
長い苦しみが続くのでしょうね。
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おじゃまします (ピロEK)
2007-07-11 21:54:17
おじゃまします。
私のブログにコメントをお寄せいただきありがとうございました。
私が、このような重い作品に対し「ビールが飲みたい」的な不謹慎な内容の記事にしたにもかかわらず、コメントにて反応いただき嬉しく思っております。
アイルランドの事って、西側ヨーロッパでも特に情報が少ない気がします。なんでだろう(?)
なんとなくイングランドと確執があることは知っていましたけど。
この映画では、少し勉強になりました。
重たかったけど嫌いじゃない作品です。
では、また来させていただきます。今後とも宜しくお願いいたします。
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ピロEKさんへ (よう)
2007-07-12 09:27:41
コメントありがとうございます。

いえいえ、アイルランドが結構身近にあることを教えていただきました。
飲んべえなものですから。
わたしも、この作品嫌いじゃないです。
真面目だけど、ユーモアもあって、いい作品でした。
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