マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

フーリガン

2007-08-06 15:03:23 | 映画ーDVD
ーフーリガンー
2005年 アメリカ/イギリス レクシー・アレクサンダー監督 イライジャ・ウッド 、チャーリー・ハナム 、クレア・フォーラニ 、マーク・ウォーレン 、レオ・グレゴリー 、ピーター・ヒアー 、ロス・マッコール 、レイフ・スポール 、ジェフ・ベル

【解説】
ジャーナリスト志望のアメリカ人青年が、イギリスで熱狂的なフーリガンの世界に魅せられていく姿を追った青春ムービー。主人公の青年を『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのイライジャ・ウッドが熱演し、彼を過激な世界へと導くフーリガンのリーダーを『コールド マウンテン』などの若手注目株チャーリー・ハナムが演じる。暴力的な世界での体験を通して自己を見つめ、もがきながら前進する主人公の心の成長ドラマが見どころ。

【あらすじ】
友人が手を染めていた麻薬売買の罪を着せられ、ハーバード大学を退学処分になったジャーナリスト志望のマット(イライジャ・ウッド)は、傷心のまま姉の住むロンドンへ。姉の夫の弟であり、フーリガン・ファームのカリスマ的リーダーでもあるピート(チャーリー・ハナム)と出会った彼は、彼に連れられサッカー観戦に行く。 (シネマトゥデイ)

【感想】
フーリガンって、何か良くわからないけど、いつも騒ぎを起こす熱狂的な人々の群れ、と思っていましたが、この映画を見て、少し考えや印象も変わりました。
暴力を肯定するのではありませんが。
この映画の言いたいところも、そこにあると思いました。

最初は、マフィアかやくざ映画みたいに見ていました。
でも、マット(イライジャ・ウッド)が、義兄の弟・ピート(チャーリー・ハナム)がリーダーを勤めるフーリガン・ファームに深入りしていくとともに、日本のお祭りに命をかけているような人たちを思い出しました。
現在は規制が強くなって、あまり荒っぽいこともなくなってきているでしょうが、昔はお祭りといえば亡くなった人の話も聞いたものです。

彼らには彼らなりの秩序や美学が存在していて、熱狂や暴力が麻薬のように彼らを虜にしていくのです。

自分たちの利害とはあまり関係ない、ただ、そのフットボールチームが好き、というだけで集まった人たち。
仲間意識が強く、飲んで騒げばすごく楽しい。
それなりの伝統もあり、誇りもある。
しかも、それは不可侵の聖域でもあるのです。

チームを愛する気持ちが強すぎて、他のフットボールチームの応援団と抗争を起こす。
誰もがバカげていると知っているのに、頭に上った血を押さえることができない。

それは、イギリスの階級制の厳しい社会で、労働階級から抜け出せず、社会不安の矢面に立たされている人たちのはけ口でもあるのでしょう。

ただ、ここに登場するフーリガンたちは、普段はまともな職業についていて、家族もある人もいました。
ピート自身も小学校の先生なのには、驚きです。

この作品の監督はドイツ人の女性だそうです。
リアルな暴力シーンから、女性監督とは思わなかったので、びっくりです。
きっと、監督自身が「フーリガンってなんなんだろう」と考えて作った映画なのでしょうね。
女性だから捉えられた視点かも知れません。

男の美意識に溢れたフーリガン魂だけれども、抗争ばかりを繰り返していると、死人が出たり、復讐が復讐をよび、しだいにエスカレートしていくのは当然のこと。
そうなれば、やくざの抗争と変わらなくなってしまいます。
人間て弱くて悲しいものですね。
やがて、人を殺めたり、自分自身の生活も人生も破滅してしまう。
そのとき、いくら好きでも、フットボールが自分を救ってくれるはずもありません。

それでもマットは、実社会ではなかなかお目にかかれない、熱き心をピートから学んで、理不尽な仕打ちを跳ね返し、誇りを胸に取り戻すというラストは、とても感動的でした。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
杏子さんへ (よう)
2007-08-07 21:27:37
なかなか冷ややかですね。
やくざ映画嫌いでしょ?
ゴッドファーザーみたいなのも嫌い?

でも、ともかくマットはこのことで自分の生き方を取り戻すからね。
偉かったです。
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仲間意識 (杏子)
2007-08-07 16:25:59
男の美意識、ねぇ(^^;
私は仲間意識・連帯感と受け取りました。

男だから暴力に訴えるけれど、女の場合は陰口や陰険な手段で相手を中傷しそうかな~と。

もちろん、対象になるチームなり人なりは存在するのだけど、仲間を失いたくなくて、色々動く人もいたりしてね。結局は人間関係なんだろうなぁと。
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