ーこの森で、天使はバスを降りたーTHE SPITFIRE GRILL
1996年 アメリカ
リー・デヴィッド・ズロトフ監督 アリソン・エリオット エレン・バースティン マーシャ・ゲイ・ハーデン ウィル・パットン キーラン・マローニー ゲイラード・サーテイン ジョン・M・ジャクソン ルイーズ・デ・コーミア
【解説】
ある町に降り立った少女が巻き起こす出来事を温かい視点で描くハートウォーミング・ストーリー。森の奥深くにある小さな町を通るバスからパーシーという少女が降りてくる。彼女は、ハナという無愛想な女が経営するレストラン『スピットファイアー・グリル』で働くことになる。町の人々はよそ者であるパーシーに奇異のまなざしを向けるが、パーシーの魅力に周囲の人々は惹かれてゆく。だが、彼女は誰にも言えない暗い過去があった。(allcinema ONLINE)
【感想】
この作品は、心に残る作品でした。
オススメです。
電話交換手のパーシー(アリソン・エリオット)、州の観光案内で「こんな素晴らしいところはないですよ」と夢見心地で案内する。
そばから同僚が「行ったこともないくせに」と茶々を入れる。
それもそのはず、ここは州立刑務所の中。
パーシーは囚人だ。
邦題はパーシーが出所後、ギリアドという田舎町でバスを降りたことを表現しているけど、「天使」というのはネタバレ気味。
観客はこの時点でまだパーシーがどういう人物か、疑っているでしょう。
パーシーが刑務官に紹介されて頼って来たのは、ギリアドのシェリフ(ゲイラード・サーテイン)。
このシェリフが紹介してくれたのがハナ(エレン・バースティン)が経営するレストラン「スピットファイアーグリルーTHE SPITFIRE GRILL」、そう原題です。
ハナは疑いながらもパーシーを住み込みで雇ってくれた。
小さな町の人々は、パーシーが何者か好奇に満ちたまなざしでレストランにやって来た。
パーシーは大声で「ハナ、私は刑務所に入っていたって言ったかしら?」と叫んだ。
それで、ハナはすっかりパーシーが気に入ってしまった。
疑い深かったのはハナのたった一人の甥のネイハム(ウィル・パットン)。
妻のシェルビー(マーシャ・ゲイ・ハーデン)をハナのレストランで働かせにやった。
でも、いつもネイハムにバカにされていたシェルビーはパーシーとすっかり仲良くなった。
ハナは、レストランを売りたかったが、買い手がつかなかった。
パーシーはカフェの新しいオーナーの募集に参加費100ドルの作文コンテストを提案した。
三人はその企画に夢中になり、なんと全国からたくさんの反響があった。
ハナがお金が欲しかった理由は、戦争で心が傷つき、山にこもってしまった一人息子の心配があったからだった。
誰にも秘密にしていたが、パーシーはその息子と心を通わせていた。
作文コンテストが締め切りとなり、ハナの家にたくさんの現金が集まった夜、ネイハムはパーシーを疑い、お金を隠そうとして…。
☆ネタバレ
パーシーの不幸な過去が明かされ、パーシーはハナの息子を逃がす途中で亡くなってしまいます。
でも、ハナの元に息子が帰り、ハナは若い子連れの女性にレストランを譲るというラストでした。
ここで、初めてパーシーはみんなの心に宿る天使だいうことがわかります。
どんなに不幸な生い立ちでも、素直な心が人々に温かい気持ちを思い出させるというステキな作品でした。
オススメです。
今でもとても印象に残っています!
あのレストランがなかなか良かったですよね♪
レストランの名前も、ハナが戦争を引きずっている感じの伏線になっていたのですね。
主人公が死んでしまうという悲しい結末でしたが、感動しました。