ーアンナ・カレーニナーANNA KARENINA
2012年 イギリス
ジョー・ライト監督 レオ・トルストイ原作 キーラ・ナイトレイ(アンナ・カレーニナ)ジュード・ロウ(カレーニン)アーロン・テイラー=ジョンソン(ヴロンスキー)ケリー・マクドナルド(ドリー)マシュー・マクファディン(オブロンスキー)ドーナル・グリーソン(リョーヴィン)ルース・ウィルソン(プリンセス・ベッツィ・トヴェルスカヤ)アリシア・ヴィキャンデル(キティ)オリヴィア・ウィリアムズ(ヴロンスキー伯爵夫人)エミリー・ワトソン(リディア・イワノヴナ伯爵夫人)カーラ・デルヴィーニュ(ソロキナ嬢)
【解説】
ロシアの文豪L・N・トルストイの代表作を実写化した大作ドラマ。19世紀ロシアを舞台に、青年将校に惹(ひ)かれたのを機に政府高官である夫との愛のない結婚や社交界から離れようと決意した女性に振り掛かる試練を追う。メガホンを取るのは、『つぐない』『ハンナ』などの鬼才ジョー・ライト。『つぐない』でライト監督と組んだキーラ・ナイトレイが、許されぬ恋に身を焦がしながらも自分らしく生きようとするヒロインのアンナ・カレーニナを熱演。実力派スターが集結した豪華な共演陣、豪華絢爛(けんらん)な衣装や美術も見どころだ。
【感想】
19世紀末のロシア。政府高官カレーニン(ジュード・ロウ)の妻にして、社交界の花として人々から注目されるアンナ・カレーニナ(キーラ・ナイトレイ)。しかし、華やかな生活の裏で夫との愛なき結婚に空虚なものを抱いていた。そんな中、彼女は離婚の危機に陥った兄夫婦の関係を修復させようと、彼らのいるモスクワへ。駅に降り立ったアンナは、そこで青年将校ヴロンスキー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と出会う。彼から強い思いをぶつけられて戸惑う彼女だが、自分にも彼を慕う気持ちで胸がいっぱいだった。(シネマトゥデイ)
【感想】
どろどろの不倫話かと覚悟して見に行ったら、舞台仕立ての風変わりな展開で、それはそれで楽しめました。
19世紀末の帝政ロシアと呼ばれていた頃のお話。
ペテルブルグに住む政府高官カレーニン(ジュード・ロウ)の妻アンナ(キーラ・ナイトレイ)は、兄夫婦のいざこざを治めるためにモスクワにやってきた。
兄も役人だが、女遊びがひどく、今回は娘の家庭教師に手を出したところを妻のドリー(ケリー・マクドナルド)に知られ、離婚まで持ち出す騒動となった。
アンナはドリーに「自分が苦しまないように兄の行為を許せ」と諭した。
オブロンスキー(マシュー・マクファディン)は、ドリーの妹キティ(アリシア・ヴィキャンデル)に求婚しようと田舎の領地からやってきた。
でも、キティは青年将校ヴロンスキー(アーロン・テイラー=ジョンソン)からのプロポーズを待っていた。
ドリーに誘われて舞踏会に出たアンナは、みんなの憧れの的となった。
特にヴロンスキーは、アンナの美貌に心を奪われてしまった。
モスクワに帰るアンナを追いかけて来た。
二人は一目もはばからずふるまい、ヴロンスキーは離婚を迫った。
二人の間に赤ちゃんまでできたが、難産でアンナは生死をさまよう。
カレーニンとヴロンスキーは和解するが、アンナが回復するとまた関係は険悪となり、なかなか離婚に応じない。
一人息子もアンナから取り上げて、世間からも隔絶され、アンナはどんどん精神不安定になる。
最後にはヴロンスキーに女性がいると疑い出し、希望をなくしたアンナは列車に身を投げて自殺してしまう。
ヴロンスキーは戦地へと赴く。
一方、ヴロンスキーに去られて傷心のキティは、再び勇気を奮って求婚したオブロンスキーを受け入れ、彼の領地で生きることを決心する。
先にも書いたように、舞台仕立てで淡々と進んでいくので、誰に思い入れをするというふうなドラマではありませんでした。
キーラの演じるアンナは強い女性で、自分のしたことの結果として悲劇の結末となったのは同情の余地がないと思いました。
カレーニンは冷静な男で、アンナにとっては面白みのない年上の夫だったのでしょう。
でも、ヴロンスキーは後先考えない若造で、二人の恋には最初から未来がありませんでした。
この物語、私はキティが救われたお話だと思いました。
真の男、オブロンスキーと一緒になれて、キティが幸せになれたのはアンナのお陰?
人生は皮肉ですねー。
帝政ロシア時代の豪華なドレスや宝飾品は、本当に素敵。
目の保養になりました。
ヴロンスキーは、まるで宝塚の男装のようだと思いましたが、彼を演じているアーロン・テイラー=ジョンソンは、「ノーウェアボーイひとりぼっちのあいつ」でジョン・レノンを演じていたし、もっとびっくりは「キック・アス」の主人公なんですね!!