
ーみんな元気ーEVERYBODY'S FINE
2009年 アメリカ
カーク・ジョーンズ監督 ロバート・デ・ニーロ(フランク)ドリュー・バリモア(ロージー)ケイト・ベッキンセイル(エイミー)サム・ロックウェル(ロバート)オースティン・リシ(デイヴィッド)
【解説】
『みんな元気』(みんなげんき、原題: Everybody's Fine)は、2009年のアメリカ映画。1990年にイタリアで公開された同名映画のリメイク作品。日本では劇場公開されずビデオスルーになった。
【あらすじ】
妻に先立たれた老人のフランクは、毎年自分の家にやってくる子供たちを楽しみに待っていたが、今年は全員が来るのをやめてしまう。ショックを受けるフランクだったが、直接子供たちと話をするために、自分が彼女らの元に向かおうと決心する。だが、この行動によって、それまで秘密にされてきた子供たちの真の現状が明らかになる(ウィキペディアより)。
【解説】
イタリア映画のリメイクだそうですが、この豪華キャストで日本公開が見送られたとは。
もったいない!
いい映画でしたよ。
どちらかといえば、日本的な家族観だと思いました。
仕事をリタイヤして、妻を亡くして一人暮らしのフランク(ロバート・デ・ニーロ)は、4人の子供たちが家族を連れて集まるのを楽しみにしていた。
ところが、ロバート(サム・ロックウェル)はオーケストラの演奏旅行で、ロージー(ドリュー・バリモア)はバレエの舞台があって行けないと言う。
エイミー(ケイト・ベッキンセイル)も息子が高熱で行けない、ディビッド(オースティン・リシ)は返事もなかった。
心臓が悪く、医師から旅行を禁じられたフランクだったが、子供たちに会いに列車とバスを乗り継いで会いに行くことにした。
まず、ディビッドを訪ねるが不在だった。
近所の画廊には彼の絵が飾られていた。
置き手紙をして、エイミーの家に向かう。
高熱で寝ているはずの孫が元気に出迎えてくれた。
エイミーに「滞在する」と言うと、仕事があって無理だと断られた。
しかたがないのでロバートの練習場を訪ねた。
指揮者とばかり思っていたら、パーカッション担当だった。
しっくりいかない会話。
ロバートにも「今夜から演奏旅行」と言われてしまう。
長距離バスに乗って、ラスベガスのロージーを訪ねる予定が、時計の時間合わせが間違っていて、バスの乗り継ぎがうまくいかなかった。
長距離トラックに乗せてもらったり、電車の駅ではドラックをしている若者に心臓の薬を粉々にされたりいろんなことがあって、ようやくロージーの元にたどり着いた。
内緒の旅行と言っても、子供たち同士には情報が回り、ロージーは心配してあちこち父を捜していました。
子供たちには、パパに言えない心配事があったのです。
☆ネタバレ
ディビッドがメキシコで麻薬がらみで逮捕されたという情報がエイミーに届いていました。
エイミーは父をロバートのところへ向かわせた後、メキシコに飛んで事実を確認していました。
本当のことがわかるまで、父には心配をかけまいと兄妹たちがぎこちなかったのです。
さらにそれぞれも秘密がありました。
エイミーは夫と別居、ロージーは同性愛のパートナーと赤ちゃんがいました。
父は別れ際に、ひとりひとりに「幸せか?」と聞きます。
父はお見通しでした。
だまされているふりをしているだけなのです。
持病の薬がなくなったので、急遽飛行機で帰ろうとしましたが、飛行機の中で心臓の発作が起き、病院に運び込まれました。
気がついたら、子供たちの心配そうな顔がありました。
そして、ディビッドの訃報も聞きました。
「パパがみんなに期待しすぎたからなのか?」
フランクは自問します。
でも、大人になった子供たちの問題は、パパには関係がないはずです。
親はいつまでたっても親、親にとって、子供はいつまでたっても子供なんですね。
父親は、仕事を言い訳に、家庭のことは妻に任せて、妻からの話を鵜呑みにして、子供たちを誤解していることも多いのでしょうね。
ラストは、クリスマスに子供たちが父の家に集まり、新しい家族も紹介して、楽しい団らんでした。
そして、フランクは亡くなった妻にこういうのです。
「みんな元気だよ」って。
エンディングに使われている曲はポール・マッカートニーの書き下ろしなのですが、特典にその作品ができたときのことを、ポール自身が語っています。
こちらも、とても興味深いですよ。